3月7日の中野区議会本会議における、令和6年度の予算の議決において、石坂わたるは 第6号議案 令和6年度中野区一般会計予算 に賛成 第7号議案 令和6年度中野区用地特別会計予算 に賛成 第8号議案 令和6年度中野区国民健康保険事業特別会計予算 に反対 第9号議案 令和6年度中野区後期高齢者医療特別会計予算 に賛成 第10号議案 令和6年度中野区介護保険特別会計予算 に賛成 の立場で討論をいたしました。 (結果的には、上記のすべての予算案が賛成多数あるいは全会一致で可決をしました。詳細はこの投稿の末尾を参照下さい。 ただし、https://ishizaka.exblog.jp/33883561/ の通り、一般会計予算については前日の予算委員会で、区長提案の予算案に対して、区議会からの付帯意見が付されています) ============以下、石坂が行った討論の内容================= (手元の原稿より。実際に討論の際には、原稿通りに読めていないあるいは原稿通りには読まなかった箇所もあります)
超高齢化社会というに関して、団塊の世代が後期高齢者となる2025年問題が叫ばれる中で、来年度は令和6年度は西暦で2024年度。年度終盤に2025年を迎えます。 益々の、社会保障費(医療費・介護費など)の負担の増加、求められる医療・介護ニーズや福祉に関する困りごとの変化や複雑化、経済規模の縮小やそれに伴い税収減などに対し、十分な準備が必要です。 また、それに加えて、団塊ジュニア世代が定年機を迎えるとともに、高齢者の人口がピークとなる2040年には、社会保障費の増大や労働力不足だけでなく、インフラや公共施設の老朽化とその更新の困難などの課題も加わる2040年問題が起こると言われており、2040年も乗り越えられる視点での、施設の建替えや社会保障を持続可能なものとするため、一定自立可能な区民の方には我慢もお願いする福祉や社会の仕組みづくりが必要となります。 介護保険特別会計については、 新規で介護認定審査会のオンライン化や介護認定進捗紹介システムの導入がされます。これについて評価をしつつも、ICTやオンライン会議に不慣れな審査会委員が発言しづらい状況にならないようにし、ICTに慣れている人でないと委員に就任しづらいことが生じないよう配慮を求めます。 なお、2025年問題、2040年問題に関して、健康寿命を長くしていくことが、高齢者のQOLの向上、制度の維持、そして、現在の子どもたちが将来負担する税や社会保障の国民負担率の伸びを抑えることにつながります。自治体で工夫が可能な介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)について今回の予算ではめぼしい新たな取組は見受けられませんでしたが、より効果を高めるスクラップ&ビルドが必要です。 以上のような指摘をし、介護保険特別会計については賛成をいたします。 次に、国民健康保険事業特別会計については、 特定保健指導対象者などが、40歳以上であったものが35歳以上へと対象者が広がります。一定評価をいたしますが、これによって、単に30代後半の方の病気の早期発見だけでなく、より早い段階から自らの健康に気を配り、生涯健康でいられる人を増やすことを含む展開が求められます。 なお、私は従来から傷病手当金についてフリーランスや自営業者を含む個人事業主について、先進自治体を見習って、区独自でも新型コロナウイルスに感染をしたあるいはその疑いが生じた場合に、傷病手当を開始すべきであると主張をしてまいりました。 コロナ対策としての被用者に対する傷病手当金に関する予算は来年度は175万円。前年の1,017万円余から大幅に減っているものの予算が計上されています。これは新規の感染者に対する傷病手当が終了したことに伴う減ですが、令和6年度においても、2023年5月7日までに感染した人で、まだ時効を迎えておらず、今からでも請求することができる権利を持つ人がいることや、昨年5月7日までに感染してその後未だに長期入院中の方などが傷病手当の支給対象となるために予算計上されています。 この点を区民委員会で問うたところ、個人事業主への傷病手当の支給ができない理由について、特定財源がつかないからであるとの答弁がありました。しかし、一般財源で行われる様々な事業が目白押しである中で、特定財源がつかないからといった理由で、同一の保険に対して同一の基準で保険料を支払っている個人事業主が切り捨てられることは不当かつ差別的であると考え国民健康保険事業特別会計予算につきましては、反対いたします。 次に、用地特別会計については 鷺宮小学校跡地内の国有地取得については、地域の資源として活用できる土地を区の財産として購入することに問題はないと考えます。全区的に、用地の購入に当たっては近視眼的な観点だけでなく、長期的な視点、区全体の施設のあり方という観点、次世代にとって何が必要で、区債発行などに依る負担をどう求めるのか、という論点での議論をこれからもしっかりとしていただけるよう要望しつつ、賛成をいたします。 後期高齢者医療特別会計については、「還付金=詐欺」という風潮が広がる中、詐欺ではない、後期高齢者医療についての還付金の未済額が年々増加していることが気がかりですが、高齢者の方にわかりやすい説明を行い、安心して還付金を受け取られる工夫を令和6年度の予算で予定しているとのこと。様々な区が徴収するお金の徴収率の向上と同様に還付の達成率も高めてもらえるよう求め、賛成をいたします。 一般会計については、これまで私も議会での質疑で取り上げてきた障害者の雇用の促進、医療的ケア児に関する通学の支援などが進むことを評価します。 また、里親支援の拡充や、社会的養護自立支援拠点事業などによって実親のもとで暮らすことができないあるいはできなかった子どもや青年の支援が進むこと、外国人相談窓口の開設、子供の貧困支援などについて期待をしております。 なお、過去に委員会での質疑等で指摘をしてきた特定不妊治療費助成については、東京都からの助成を受けられた人への上乗せのみであり、東京都からの助成を受けることができないAIDでの人工授精を受けた男女の夫婦やレズビアン等女性同士のカップルが支援から漏れ続けてしまうことの問題、区債の発行や基金の取り崩し額が増える一方で必要な基金の積立ができない点が大きな問題であると指摘いたします。 特に基金の積立ができていないことは大きな問題であると考えます。物価上昇に伴う現金の価値が低下する中で、同じ額が確保できていても価値が目減りします。 今後、様々な区有施設の寿命に依る建替えが迫る中、その財源を確保すべく積立が必要であるにもかかわらず、全体的な基金積立額が過去10年で最低額となることは大問題です。 令和4年度まで増え続けたコロナ対策につぎ込む一般財源がようやく減り始めた時期でもあり、コロナ対策に使ってきたお金を少しでも積立に回すことができたはずです。 また、これは価値観の別れるところかもしれませんが、加熱する物価上昇に対して物価高騰対策で一般財源の投入が増えてしまっていますが、これまで繰り返し指摘をしてきましたように、物価高等に対しては本当に困難を抱えている人に対するセイフティネット以外は支出を抑え、物価高騰を促進しないように総需要抑制をしつつ、デフレに備えた基金の積立をすべき時期であり、そうした判断ができれば、物価高騰対策に投入する一般財源も減額して積むことができたはずです。 巷では日経平均株価がバブル期の1989年の3万8915円を突破したとニュースになっていますが、国民生活基礎調査の数字では1989年の日本の所得の中央値は471万円、貯金の2022年では中央値は423万円とされていて、48万円少なくなっています。 また、そもそも現金の価値が年々低くなっています。2020年基準の消費者物価指数から考え、2020年の価値に換算をすると、1989年の471万円は2020年の価値では521万円余、2022年の423万円は2020年の価値では396万円余となりますから、所得が最も中間である人の購買力すなわち稼いだお金でモノを買う力は125万円相当も低下しているということとなります。 もちろん、バブルと今を比べて単純比較はできないものの、一般的な家庭の購買力は多くなさがあります。 それにもかかわらず、多くの人が親世代の形成していた家族、消費意欲をくすぐるテレビや映えを意識したSNSからの情報で、幻想的な普通の生活イメージを形成しています。そして、それが実現しないことで、「普通の人と比べて生活が苦しい」という意識の苦しみを抱えています。 昔の右肩上がりの経済あるいは高止まりの経済状況を前提とした普通を維持するための、背伸びをした行政サービスを展開するのではなく、急速に人口減少や高齢者割合が高まる社会の中で、急降下することなくソフトランディングをするために今からどのように備えるのかそれを考えた予算を、区民に理解を求めていくことが必要です。 区財政の健全な持続性に関して、疑念があるため、今回予算に賛成をするか、反対をするか、かなり迷いました。 ただ、先程申し述べましたような、困難を抱えている人のための事業も多々含まれていることなどから、今回は賛成をすることといたしました。 しかし、令和6年度に予算計上されている、令和8年度策定予定の「次期区有施設整備計画策定」に向けた新規の取組がしっかりと進み、それに伴う基金の積立がしっかりと行われないならば、今回困難を抱えている人のために始まった事業についてもその持続について黄色信号が灯ります。子育て支援のつけをその子どもたちに追わせないこと、景気の加熱を抑えること、また、区民に対してポピュリズムにならないよう、ときに頭を下げたり、非難を受けようとも、お願いをして、スクラップ&ビルドをすすめることが大切です。 今後、これらの指摘に改善が見られなければ、令和7年度の予算案の際には賛成ができかねることを申し添えつつ、賛成の討論といたします。 ======(討論内容は以上)======= 議決の結果は以下のとおりです。 第6号議案 令和6年度中野区一般会計予算:賛成多数で可決(むとう議員、吉田議員を除く議員が賛成) 第7号議案 令和6年度中野区用地特別会計予算:全会一致で可決 第8号議案 令和6年度中野区国民健康保険事業特別会計予算:賛成多数で可決(共産党、むとう議員、石坂を除く議員が賛成) 第9号議案 令和6年度中野区後期高齢者医療特別会計予算:賛成多数で可決(むとう議員を除く議員が賛成) 第10号議案 令和6年度中野区介護保険特別会計予算:賛成多数で可決(むとう議員を除く議員が賛成) #
by wishizaka
| 2024-03-07 23:22
| 議会内の活動(質問など)
https://ishizaka.exblog.jp/33883547/の通り3月7日に議決が行われた令和6年度予算案について、 前日の3月6日に行われた予算委員会でも採決が行われ、その際に、一般会計予算については以下の付帯意見が議決されて、予算案に付されました。 (3月7日には付帯意見が付された状態で、各議案の議決が行われました) (1)子ども文教分科会が提案し、賛成多数で可決(無所属のむとう委員、小宮山議員以外の議員が賛成)した付帯意見 「私立学校等保護者支援については、給食費相当額を現金給付にて実施されるよう執行方法を見直されたい。」 (2)自由民主党議員団が提案し、賛成多数で可決(自民、公明、れいわと維新を含む無所属((むとう議員を除く))が賛成)した付帯意見 「経常経費の増大を抑制するため、事業の抜本的な見直し・廃止を着実に行われたい。」 (3)自由民主党議員団が提案し、賛成多数で可決(自民、公明、都ファ、れいわと維新を含む無所属((むとう議員を除く))が賛成)した付帯意見 「区民の健康増進が図られるよう受動喫煙対策においては、全庁的な施策の推進に取り組まれたい。」 (4)公明党議員団が提案し、賛成多数で可決(自民、公明、れいわと維新を含む無所属((むとう議員を除く))が賛成)した付帯意見 「生成AIの導入に当たっては、予算審査での指摘を踏まえ、必要最低数で効果の検証を実施したうえ、段階的に導入されたい」 (5)会派は無所属(政党はれいわ新撰組に所属)の井関議員が提案し、賛成多数で可決(自民、公明、れいわと維新を含む無所属((むとう議員を除く))が賛成)した付帯意見) 「庁舎移転廃棄物等対策『不要什器等廃棄業務委託』の予算執行にあたっては、リサイクルと経費節減に努められたい。 #
by wishizaka
| 2024-03-07 18:48
| 議会内の活動(質問など)
今年、最後の定例議会が本日で閉会となりました。
本日は本会議にて ・国が決めた「価格高騰支援給付金」の実施に向けて必要な基盤整備(コールセンターの業務委託、システム開発など)についての補正予算が可決。【石坂は賛成】 ・ガザ地区での停戦を求める外交努力を日本政府に求める意見書が可決。(参考: https://twitter.com/ishizakawataru/status/1734480962933948767 )【石坂は賛成】 ・最低賃金1500円の早期実現を求める意見書を政府に提出することについての陳情が否決【石坂は原案に反対】 ・中野区議会傍聴に関する運営ルールの変更と必要な情報開示を求める陳情が可決【石坂は賛成】 他 について取り上げられました。 「最低賃金1500円の早期実現を求める意見書を政府に提出することについて」は反対に先立ち、私は反対討論をしたため、以下に討論内容を書いておきます。(原稿通りに読めていない箇所もあるため、正確な内容は後日掲載される中野区議会のHPの会議録をご覧ください) 《概要》 最低賃金の引き上げについて、実質賃金が下がらない様にインフレ率を踏まえた引き上げが考えられますが、企業・労働者・消費者がお互いに譲り合いながらどこまで耐えることができるか、できないかを見定めながら、スモールステップでの最低賃金の引き上げを行っていくことが必要です。急激に1500円に引き上げることは、人件費の増加に伴い非正規労働者や中小事業者の正規労働者に対する人員削減や、事業者の倒産をもたらす可能性があります。そのため、本陳情に反対をしました。 《全文》 第10号陳情 最低賃金1500円の早期実現を求める意見書を政府に提出することについて 反対の立場で討論を致します。 労働市場が完全市場の場合、最低賃金の引き上げは、労働市場において、労働者がより多く働きたいと考えるため、労働者の供給を増やす方向に作用する反面、一方で事業主の側の労働者を雇用したいという考えを低下させるため、労働者に対する需要を減らす方向に作用すると言われています。 さて、厚生労働省が発表した「毎月勤労統計調査」によりますと、10月に労働者が受け取った「名目賃金」は、2022年に比べて1.5%増えました。しかし、物価の変動を差し引いた「実質賃金」は2.3%減少し、これによって実質賃金は19カ月連続で減少しています。 こうした中、厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると、本年10月の、有効求職者数に対する有効求人数の割合である有効求人倍率が東京都で1.83倍、全国で1.29倍となっていて、1倍を上回っている。すなわち求職者数よりも求人数が多くなっています。 また、15歳以上で、働く意欲のある労働力人口の内、無職で求職活動をしている人が占める割合である完全失業率が、本年10月分の労働力調査では、東京都で2.6%、全国で2.7%となっています。働きたい人が全て働けている状態ではないものの、3%以下の状態は、失業者がほとんどいない「完全雇用の状態」と言われる中、東京都あるいは全国で完全雇用の状態を達している状態ではあります。労働力不足まで言われる現在において、これらの数値だけを見ると、賃上げがしやすい環境が整いつつあり、最低賃金引き上げも実現しやすい状況であるとは言えます。 そのため、物価変動に対して耐える余裕がないことが多い最低賃金で働く人について、最低賃金を毎年、インフレ率を上回る率で引き上げていくあるいはインフレ率に近づけていくべきだということであったならば一定の理解ができるところではあります。 しかし、前述のデータを細かく見ていくと、有効求人倍率について、現在の最低賃金が全国2位の県である神奈川県や全国6位の千葉県では1倍を下回っています。すなわち働きたいと思っても十分な求人がない状況です。 ちなみに、最低賃金が高く有効求人倍率が1を上回るのは、東京都、大阪府、愛知県、埼玉県など、その多くが近県からの労働者を受け入れる大企業・大工場などが多い地域などに限られています。また、25歳から34歳の女性の完全失業率が4.4%で3%を上回っています。そのため、最低賃金の引き上げは有効求人倍率や完全失業率の変動を注視しつつ、段階的な引き上げを考えていくことが大切です。 もちろん、企業が限界労働生産性よりも低い賃金を支払って労働者の雇用をしているような場合、企業は高い最低賃金が課されたからといって必ずしも労働者数を減らすわけではありません。しかし、これは大企業で働く正社員には当てはまる場合がままありますが、ぎりぎりの経営をしている中小では正規労働者の雇用を減らすことに舵を切らせる可能性を高め、こと非正規労働者は大小に関わらず雇用を減らす動きが発生します。また、そうした方向に舵を切らない或いは切れない事業者の場合、撤退や倒産を迫られることになりかねず、市場における事業所退出率が上がります。 すなわち経営が苦しい状況下で最低賃金が上昇すると、人員削減をするか、事業を止(や)めるかを事業主は迫られることになります。 また、理論的なことにとどまらず、現実においても、本陳情の区民委員会での審査の際に、担当者から「区内事業者から『最低賃金がこれ以上引き上げられると経営が苦しくなる』という声がある」との答弁もありましたし、私自身も「最低賃金が大きく上がったら人を減らさざるを得ない」という小規模の飲食店の経営者の方の声を耳にしています。最低賃金の引き上げは、中野区内において、中小零細企業の人員削減や倒産を増やす恐れがあり、ひいては働く人の雇用を守ることができなくなる可能性があります。 加えて、例えば、最低賃金で働く人が多い例の一つとして、農繁期に雇われて働く農業労働者がいます。最低賃金は農家のコストを引き上げることになり、それは価格に転嫁せざるを得ないと言われたりもしています。 すこし前の記事となりますが、2021年5月25日 日本経済新聞の「経済教室」のコーナーに掲載された記事では、「最低賃金上昇のコストは誰かが必ず負担することを考えると、特定のグループが過度の負担を負うことなく、企業、労働者、消費者が広く負担を分担していくことに合意することが最低賃金引き上げの鍵になるだろう。」としています。 企業・労働者・消費者がお互いに譲り合いながらどこまで耐えることができるか、できないかを見定めながら、スモールステップでの最低賃金の引き上げを行っていくことが必要であると思います。 なお、その際に、最低賃金を高くしているヨーロッパ諸国では、伝統的に若者の失業が大きな社会問題になっていることを踏まえ、日本においても非正規雇用の失業や若者の就職難を増やしてしまうことが無いように最低賃金の水準を考えていくことが大切です。 そのため、地域によって幅がある現在の最低賃金について、1.35倍~1.67倍に急速に引き上げて1500円とすることは避けるべきです。 よって、最低賃金はスモールステップで引き上げていくべきであると考え、本陳情には賛成でき兼ねるため、以上、私の反対討論と致します。 #
by wishizaka
| 2023-12-12 18:18
| 議会内の活動(質問など)
本日午後は、台東区議会にて行われた全議員参加(+数名の行政職員が参加)での「LGBTQについて理解を深める学習会」の講師として招いていただき、話をしてきました。 基礎知識やLGBT理解増進法の基本、よく私に寄せられる疑問や不安の声等のQ&A、LGBTが自治体内で困りがちなことなどについて話をしてきました。党派を問わず、頷きながら熱心に話を聞いてくださる方や、学習会の終盤の質問タイムや終了後に熱心に質問を下さる方も多くいらっしゃいました。 1時間半ほどの単発の全員参加での学習会ということもあり、もしかしたら、興味の程度がまちまちであったり、中には今はまだ偏見があったり、知識が不十分な方もいらっしゃるのかもしれません。もしそうであったとしても、今回「話を聞いてみようかな」と思ってくれたり、「まだよくわからないけれども知りたい」と思ってくれたこと、さらには、あくまで1当事者ではありつつも、「こんな当事者もいるんだな」と、LGBTの当事者である私の話を間近で聞くという経験をしてもらえたことで、今後もアンテナを張って下さりったり、将来は困りごとを抱えたLGBTへ寄り添って当事者やその家族と一緒に考えてもらえる議員が、今後一人でも増える一助になれたのであればありがたいと思う次第です。 なお、台東区議会内でのことについては、 という報道も、学習会に先立つ本会議までの様子などについて報道がありました。 地方自治において公務員を選定し、及びこれを罷免することは、住民固有の権利であり、 私は台東区の有権者でもなく、議会的にも外部の中野区議会の人間なので、口を挟む立場ではありませんが、 終了後、松村議員とも短時間の立ち話とはなってしまいましたが直接対面でお話をすることができました。 そして、真摯かつ穏やかなムードで、今後の連絡先の交換も行うことができました。 #
by wishizaka
| 2023-10-26 23:52
| 議会外の活動
令和5年(2023年)第三回定例会最終日に、 平和の門(旧中野刑務所正門、豊多摩監獄正面門)についての補正予算に賛成討論をしました。 議案はこちら: https://kugikai-nakano.jp/gian/23106133630.pdf (令和5年度 第5次補正予算) 上記議案について、文化的価値の高い文化財を着実に保存するため、工事費用は値上がりをしたものの、着実に工事を行うこと。また、工事の影響が平和の森小学校の建築・移転時期に影響を及ぼさないようにすること、工事費用を無理のない範囲で圧縮するよう努めることを求めました。 第89号議案 令和5年度 第5次補正予算の 一般会計の内容について 賛成討論を致します。 これは、令和5年度の一般会計歳出を3億9887万円余増額するとともに、令和6年度から令和8年度の債務負担行為の限度額の増額補正をするものです。
これらはいずれも、旧中野刑務所正門の移築・修復に関する経費の増額によるものです。 この門に関しては、当初は平和の森小学校の敷地となる土地の中に現地保存をして残す考えが採られていました。これが、当時の検討の結果平和の森小学校の敷地内での移築となり、さらにその後の調査で移築・修復にかかる費用の見込み額が増えたことが今回の増額補正の要因となっています。
この門は大正時代の建築家であり、帝国大学在学中より、フランスで12世紀後半から花開いた建築様式である中世ゴシック様式の装飾や建築形態を改めて復興しようとするゴシック・リバイバリストとして建築界にデビューした、後藤慶二の代表作であるとともに数少ない現存する建築物です。この後藤慶二は、朝鮮総督府嘱託として朝鮮の古墳調査に参加したり、明治神宮宝物殿の建築設計競技に応募し3等1席に入選をしたりし、さらに早稲田大学講師として構造学講義で教えるなどしていました。 そして、その後藤慶二によって、この門は様々な建築上の工夫がなされ、将棋の駒のように屈曲した腰折れ屋根の屋根が折れ曲がる部分では、煉瓦を斜めに積み、さらに、この門の扉の上の部分は、煉瓦を半枚ずつずらして段状にレンガを積んだアーチ状のデザインになっています。なお、門扉の左右も同様に段状にレンガが積まれています。加えて、目地の断面をかまぼこ形に成形する日本独自の技術である覆輪目地などに高度な煉瓦の積み方なされています。これらはレンガ建築物が多かった当時としてもかなり細やかな技術を用いたものであったと言われています。
なお、この、旧中野刑務所正門については、平成30年第4回定例会で採決が行われた、「第10号陳情 平和の森小学校新校舎の早期建設・完成について 」でも触れられていました、なお、この陳情の第4項目には「旧中野刑務所正門の解体もしくは学校施設外へ移築すること。」の一文が掲げられていましたが、その第4項目は賛成少数で否決され、この陳情は第1項目から第3項目までに限定した一部採択の陳情となりました。 これは当時の議会の判断として、解体や学校敷地外への移築はしないという考えが示されたのと同様であり、その結果この門について取りうる手法は現地保存か、学校敷地内での移築ということとなります。
また、この門は令和3年6月4日、中野区教育委員会によって、中野区文化財保護審議会の答申内容を踏まえ、「旧豊多摩監獄表門」として中野区有形文化財として指定されました。 なお、中野区において、従来、区の文化財であるものが、都や国の文化財へと変更された場合を別として、文化財の指定が解除されたものはなく、他自治体でも有形文化財の指定が解除された例は、個人所有で維持補修が困難になった場合や、倒壊の危険性がある場合、焼失、倒伏などにほぼ限られ、今回の旧中野刑務所正門は、文化財の指定を解除して取り壊すようなことがあってはならないと考えます。
ただし、早い段階で移築・修復にかかる費用を調査・積算すべきであったこと、費用が増える可能性について速やかに議会に報告をするべきであったこと、当初の段階から現地保存の可能性をもっと探るべきであったことを指摘致します。 また、今後、実際に移築・修復を行う事業者を募集する際には、「しっかりと事業者の提案する手法やコストを精査して、現実的で妥当な範囲で、極力コストがかからない形での移築や修復を行い、なるべくより多くの執行残がこれに関しては出せるように努めること」、ただ、そのために、「文化財としての価値を下げてしまったり、移築・修復完了後、門を観に来た人たちに文化的価値のある門を知ってもらうという意義が損なわれないようにすること」、また、「平和の森小学校の開校に遅れが出ないように工事を進めること」を求めます。 以上、私からの賛成討論と致します。 #
by wishizaka
| 2023-10-23 16:30
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