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中野区の基本構想が可決しました (私が行った賛成討論の内容他)

 これまでの基本構想に代わる、新たな中野区の基本構想が可決をしました。

 基本構想は現在パブリックコメントを募集中の行政計画「新しい中野をつくる10か年計画(第三次)(案)」( http://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/101500/d022252.html )の基礎になる部分です。

 10か年計画が行政サイドの計画であって議会に対する報告事項であるのに対して、基本構想は議会の議決を経て成立をするものであるため、今回の定例会で議案として議決をしました。

 なお、今回の基本構想の議決に際して、石坂は課題点を指摘しつつ賛成討論をいたしました。 
 
 ★ 私が賛成討論で指摘をした主な課題 ★
・「役所だけでなく、市民やNPOや民間企業も『公共』の担い手である」という意識を、区民・職員ともに共有する必要があること
・これまでの基本構想において「区行政から区民への、分かりやすく心のこもった説明責任」、「参加の機会を周知し、区民を巻き込むための呼びかけ方法」「区民の意見を、成果や結果に反映させる工夫」について、課題が残されている
・住民参加や合意形成はとても素晴らしいことである反面、多様な意見が出てくるために難しい面も多々ある。しかし、難しいからといってこれを避けて通ったり、諦めてはならない


 ★ 賛成討論の内容 (討論の際に使用した原稿より)★

第53号議案、中野区基本構想に賛成の立場から討論いたします。

「活かされる個性、発揮される力」を基本理念とし、平成17年に成立をした基本構想。その基本構想に基づいて作られた「新しい中野をつくる10か年計画」。これらによって、中野区の自治は大きな変化を遂げてきました。

今回、
「私たちは、すべての人々の自由と尊厳を守り、大切にします。
 私たちは、一人ひとりの個性を大切にし、みんなの幸せを考えて行動します。
 私たちは、地球的視野に立って、平和な世界を築き、環境を守り再生させ、次世代の人々へ受け渡していきます。
 私たちは、それぞれが持つ力を発揮して、共に支えあいます。
 私たちは、一人ひとりが、みずから決定し、行動し、参加して自治を担うことで、心豊かな、いきいきとしたまちをつくります。」
ということが、新たな基本構想においても基本理念・普遍的な理念として、引き続き掲げられていることを高く評価いたします。

しかし、この10年間、理念の総論には多くの人が賛同しつつも、個々の施策展開においては合意が難しい場面も多々あったかと思われます。区民からの期待に対して進んだ点、思うように進まなかった点、そして方向転換をせざるを得なかった点もあったと思います。

特に、「区行政から区民への、分かりやすく心のこもった説明責任」、「参加の機会を周知し、区民を巻き込むための呼びかけ方法」「区民の意見を、成果や結果に反映させる工夫が効果的にできていない」という点は、課題として残されているものと思います。大きな改革・改善のためには、「情報の公開と共有の徹底」、「誰でも理解しやすい説明責任の徹底」、「住民参加の徹底」について振り返りつつ、新たな基本構想を受け止めることが必要であると思います。なお、「役所だけでなく、市民やNPOや民間企業も『公共』の担い手である」という意識を、区民・職員ともに共有する必要があると思います。

さて、情報公開が進めば進むほど、より詳細な情報に対するニーズが高まります。さらに、住民参加が進めば進むほど多様な意見が出され、合意形成が難しくなることがあります。住民参加の機会が増えても、自分の意見が反映されなければ、「参加の機会が足りない」、「住民の声が届かない」と主張する声も出るでしょう。また、価値観の違いやボタンのかけ違いから、「自分がこんなに正しいことを言っているのに実現をしないのは、行政が悪いからだ」との辛辣な声を飛ばす向きもあります。住民参加や合意形成はとても素晴らしいことである反面、難しい面も多々あります。しかし、難しいからと言って避けて通るべきではありませんし、あきらめてはならないことでもあると思います。

今回の基本構想で掲げられている8領域の考え方そのものは、多くの区民が共有できるものだと思います。また、私自身、今回の基本構想で領域の5に明記されている「見守り・支え合いが広がるまち」。領域の8に明記されている「区民ひとりひとりが自分を大切にするとともに、それぞれの考え方や生き方を認め、差別されることなく社会に参画できる環境づくり」、「多様な文化や多様な生き方を認めながら、地球規模で考え、地域に根差した行動のもと、平和で豊かなまち」についてはとても素晴らしい考えだと思っております。

しかし、これらの考え方を具体化していく中では、様々な異論や思わぬ障壁が現れることと思います。「中野のまちの将来像」、「10年後に実現するまち」、「将来像の実現をめざす道筋」について、この基本構想に書かれている理想を実現すべく、2000人の全職員一人一人が区民と協力をしながら、日々その仕事の中で取り組んでいただけることを期待しつつ賛成の討論と致します。 

by wishizaka | 2016-03-27 01:19 | 議会内の活動(質問など)
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