3月9日の本会議にて令和2年度の予算案に対する討論を致しました。
第6号議案 令和2年度中野区一般会計予算 に反対の立場で 第7号議案 令和2年度中野区用地特別会計予算、 第8号議案 令和2年度中野区国民健康保険事業特別会計予算、 第9号議案 令和2年度中野区後期高齢者医療特別会計予算、 第10号議案 令和2年度中野区介護保険特別会計予算、 に賛成の立場で、 討論を致します。 まず、普通会計を構成する一般会計と用地特別会計についてです。 一般会計においては、歳入を増やす特別区税収納率向上のためのSNSの活用、歳出を効率的・効果的にするAIを用いた保育入園事務の効率化、そして、老朽化した私立保育園の建て替え支援などを行いつつ進めていく区立保育園の一定数の民設民営化、生命や生活環境を守るひとり親家庭や医療的ケアに関する支援などについては高く評価をします。 感染症や障碍の重度化への対応、若者の貧困への対策などの区民の生命や健康、尊厳や平和な生活環境を守るための取組みについて行政が責務を果たすことは私も重要と考えます。 しかし、昨年令和元年の10-12月期の景気の落ち込みは予想以上でした。更に今回の新型コロナウィルスの影響が重なり、経済はこれまでの流れと一変します。そんな中で、基準となる一般財源規模を710億円から750億円に拡大し、事業もそれに伴って拡大したことは問題です。令和2年度は議会の議決事項でもある基本構想やそれに基づく基本計画について、着実に一年かけて区民の議論を成熟させる予算でなければなりません。にもかかわらず、基本構想や基本計画が無いままに、各部署の思惑だけの個別計画が乱立してしまうと、基本構想で律するには時すでに遅く、基本計画も個別の「やりたいことリスト」をまとめただけの計画になる恐れがあります。 また、新たな何かを始めるために、不要不急な事業や無駄の多い事業をどう整理し、新規の事業や調査をいかに絞るのかといった見直しや検討が不十分であると思います。 短期的な新型コロナウイルスの影響、中期的なオリンピック・パラリンピック後の景気の不透明さ、長期的な少子高齢化を考えれば、将来に対する見通しや計画性重視した備えを考えることが必要です。 今よりも財政状況が厳しかった平成20年3月12日の総務委員会にて「現状では施設改修基金自体の設置は困難なため、今後の財政状況をとらえて、検討していく」と示しているにもかかわらず、本定例会の私の一般質問に対し、施設改修の特定目的基金の設置は「財政運営を硬直化させ」るという発想での答弁は将来世代に負担をもたらすことを柔軟に考えることにもなりかねず問題です。
まず、区債の発行に関しては、確かに、当初予算における前年比では、一般会計で見ると約102億円から約72億円へ、普通会計で見ると約203億円から約72億円に減っています。しかし、前々年度は一般会計でも普通会計でも約33億円でした。つまり、令和2年度は前々年度の倍以上の区債発行額です。 このため公債発行残高で見ると、一般会計で前々年度末の約113億円から約173億円に増え、普通会計では約151億円から約184億円へと増加します。こうした区債発行残高の増加分は今後の返済だけでなく支払利子も生み出します。令和2年度の普通会計ではそれまでに発行された区債の支払利子が約9千万円生じることも認識することが必要です。
次に、財政調整基金についてです、繰入金額の前年との比較では86億円から31億円に減ってはいます。しかし、財政調整基金の残高を見ると、前々年度に301億円あった財政調整基金の残高は令和元年度に279億円、当該年度すなわち令和2年度には予算原案で275億円というように大きく減る見込みです。
昨年の第1回定例会での平成31年度予算案に対し、私は賛成討論で、区債の増や基金の減などを問題点として指摘をしましたが、その状態が令和2年度の予算案を見ても続いています。 子育て先進区はまず、子どもたちに背負わせる借金である区債の発行残高を減らし、貯金である基金を無計画に使い込むことを避ける。その上で、セーフティーネットを手厚くきめ細やかにしながら、経済的な区全体の安定と成長や、区民の所得や生活水準の底上げ、計画的な公共施設の更新を進めることが必要であり、状況によっては子どもたちの未来に負の影響を残さないよう、区民生活に一定の範囲で影響を与える眼前の事業の見直しを検討することも避けて通るべきではありません。
なお、ここ数週間にわたり、令和2年度予算の人的契約と物的契約が紐づいているとのうわさを耳にします。公正な方法でなされるべき選考・入札について、区民の目から見て疑われるような事態は避けるべきです。結果の報告のみならず、その過程がつまびらかになること、その上で、区民にとって疑念が残らないことを切に願っていることを申し上げておきます。 また、地域開放型図書館を巡って、子ども文教委員会の報告と予算案の内容に齟齬があり、当初から補正ありきの予算となっていることも問題です。 今回は、酒井区長就任後もう2度目の予算編成です。新たな中野区の基本構想も基本計画もつくられていない状況下で、将来予測がないままに、子どもたちにツケを残す予算編成になっているのではないかという不安がぬぐえません。故に、一般会計予算については反対をいたします。 なお、用地特別会計については、特別会計単独で見た時には、令和2年度には新たな土地の取得や区債の発行は計画されておらず問題がないと考え賛成を致します。
次に、国民健康保険事業、後期高齢者医療、介護保険の各特別会計予算についてです。 国民健康保険事業特別会計における国民健康保険料の収納率向上の取組がなされること、後期高齢者医療特別会計における後期高齢者医療保険料の収納率が23区平均よりも中野区の収入率が高い現状、介護保険特別会計において「認知症とともに暮らす地域あんしん事業」をはじめとする、高齢者が安心して生活できる地域づくりの推進などは高く評価し、期待をしています。
特に予算審議に先立ち1月の地域包括ケア推進調査特別委員会で「中野区地域包括ケアシステム推進プラン」の指標について、誤差率も踏まえた分析の報告がされました。酒井区長が地域包括ケア担当副参事であった時に作られたこのプランにおいて目標と成果指標の設定が客観的に分析をしやすい形で作られたことが、この分析の良さにも繋がり、その分析を経て介護保険特別会計の予算編成にもつながるものであることを高く評価いたします。
しかし、いかんせん、様々な制約がある各特別会計がしっかりとできている分、一般会計に関して指摘をしました問題点が非常に残念です。 私としましてはより多くの同僚議員に一般会計予算の否決に賛同いただきたいところです。予算の否決は、何もしてはいけないという意思表示ではなく、「予算をより良い方向に作り直しなさい」という議会の意思です。もし、否決がされれば、区長は新たな予算案を組み立てねばならず、それは反対した議会の意思がより色濃く反映された予算になります。 議員は自らの行動の経過をきちんと区民に説明する責任がありますし、賛否の行動の結果には責任を伴います。予算に対して議員の取りうる方法には付帯意見や修正案もあります。しかし、本案の決定的な瑕疵を治癒するものでなければ、区民に説明ができません。 「予算は反対するものではない」という批判をされる方もいるものと思われます。私は、予算への反対は全ての成果を否定するものではないと思いますが、もしそうであったとしても、「より良いものにしたい」との建設的な立場を貫くことを旨としてきた私が、今回やむにやまれぬ反対をいたしますその意味を、区長部局をはじめとする理事者の皆様には重く受け止めていただければと思います。
以上、第6号議案への反対討論と、第7号~10号議案への賛成討論といたします。
by wishizaka
| 2020-03-09 16:00
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