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安倍首相の辞意表明に関して思う事。

安倍首相が昨日辞意を表明されました。

 内閣の総辞職には次の場合があります。

(1)内閣不信任決議案が提出され、衆議院の解散をしなかった場合。【憲法69条】

(2)衆議院議員総選挙のあとの最初の国会。(内閣は総辞職しなければならない)【憲法第70条】

(3)総理大臣が「欠けたとき」(死亡や今回のような辞職など)【憲法第70条】

 また、総理大臣の選出を行う国会において優越権を持つ衆議院の選挙がなされる場合には、以下があります。 

(1) 任期満了 ( 任期の4年間を終えた時 )

(2) 内閣不信任決議案が可決( または、内閣信任案が否決)され、内閣が総辞職をしない時 【憲法 69条】

(3) 内閣が民意を問うために必要だと思った時 【憲法7条】 

 私自身は、だれが総理大臣であれ、どの政党が与党であれ、1度選挙を行った後よほどのことがない限り原則は衆議院の議員は任期を全うすべきであるし、改選後の衆議院が選出した内閣総理大臣および各大臣により構成される内閣は同じ期間存続すべきであると思うところです。

 つまり、恣意的なタイミングでの衆議院の解散や、選挙を経ない政権のたらいまわしは避けるべきが原則だと考えます。また、国民も直近の社会課題だけでなく、どの政党にあるいはどの党首に次の4年間を託すのかを熟慮した投票行動をすべきであると考えます。

 もちろん、総理大臣も人間なので、志半ばで命が潰えてしまう事や、今回のような心身の不調、あるいは違法・不当の責任を負う場合の辞職はあり得るわけですが。

 なお、選挙を経て誕生した政権はたいがい基盤が安定し、議員の都合のみで誕生した政権は基盤が安定しない傾向があるように私は感じています。

 政党の内部の理やルールは各政党の自治に委ねられてはいますが、政党の消滅や統合と同じく党首の選出などの重大事は各政党の構成員(党員等)が全国民に与える影響を鑑みて、対外的にも公明正大である形で決定をしてもらいたいと無所属ながら思うところです。

 さて、今回総辞職をする安倍政権は、選挙によって誕生し、カンフル剤・鎮痛剤・向精神薬的手法を多量に使うことの副作用や依存等を含めた長期にわたる影響はともかく、目の前の経済政策で一定の成果を見せることには成功をし、政治的に反動主義的な層からも、経済的にリバタリアンな層からも、一億総中流が崩れた後の中間層からも一定の支持を得ることで、選挙においても強さを発揮し、総理大臣及び与党第1党の総裁としての力を発揮してきました。

 そうした「支持率の高さ」や「集中する力」によって、国民からの批判を受けやすい消費税の値上げを断行することも、国民の選好を意識した危機対策の180度の方向転換も、自身も熱心な支持者も進めたいと思っている事項を世論を意識して踏みとどまることも「持つ力」故に可能であったと思われます。

 また、「持つ力」を背景に、必ずしも熱心な支持者層ウケが良いとは言えない、「障害者差別解消法」、「女性活躍推進法」、「働きかた改革関連法」の法案を提出して国会に可決してもらうこと、自身が指名した文部科学大臣の下で文部科学省が(性的マイノリティ全般に対する言及を含む)「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」を通知を出すなどもなされましたし、その内容をどこまで進め、どこまでで歯止めをかけたり、制約をかけるのかという事も可能としてきました。

 そして、党内からも党外からもとって代わるものが現れることなく、最長の長期政権に幕を引かせるものは自身の体調だけであったということは特筆に値すると思います。

 どういった方向に政治を進めるかに関わらず、見習うべき点、反面教師とすべき点を含め、未来の内閣を担う政党や内閣総理大臣を狙う国会議員や自治体の公職者、その候補者は、与党の立場からも野党の立場からも、感情論ではなく、冷静に安倍内閣とは何であったのかを精査し、見極めていくことが必要なのだと思います。

 

 一有権者として私には、安倍氏以上に、この人物に総理大臣になってほしい人物はたくさんいます。しかし、いずれにしましても経済大国でありつつも外交的には小国である面を持つ、民主国家日本において、日本国憲法及びその下の法律の手続きに則った選挙を経、国権の最高機関である国会において選出・信任された、内閣総理大臣を8年近く担い続けてきたことに対して、その大変さは想像を絶するものがあります。この長さは行政のトップとしての歴代最長であるとともに、三権の長としても最長の任期となります。任期を全うできなかった健康問題という爆弾を抱えていたとはいえ、常人では耐えかねるストレスを長年にわたり乗り越えた体力や精神力や熱意については敬意を感じるところです。

 今後は治療に専念頂き回復を願うべきところかもしれませんが、内閣総理大臣及び与党第1党の総裁を辞しても、衆議院議員としての任期が残っている以上、回復を図り健康に留意をされながら各党各会派の同僚議員と共に最後まで国民の代表たる代議士としての責務を果たすべく任期中の仕事をしっかりと務めて頂けることを願っています。


by wishizaka | 2020-08-29 23:56 | 政治についての思想・考え方 | Trackback
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