本日が中野区議会令和2年(2020年)第4回定例会の最終日でした。 (本議案には、私のほかにも、賛成の立場で共産党のいさ議員、反対の立場で公明党の白井議員が討論をしました。) ・核兵器をのない世界を作るための選択肢の一つである核兵器禁止条約の署名と批准を政府に求めることに賛成であること、 ・他国を信頼できず、安全保障重視で核兵器の力を手放せずにいる不安を抱えている人や国もあること、 ・核兵器禁止条約以外の方法で核兵器のない社会を目指す人に対しても、方法やスピードの違いや価値観の違いを否定し合うのではなく、合致できるところで、連携・協力することが大切だということ、 を述べました。
(原稿通りに読めていない箇所がある可能性があります。確定内容や他の議員の討論などは、中野区議会の会議録をご覧ください→ https://kugikai-nakano.jp/view.html?gijiroku_id=3928&s=核兵器&#T15) ==============(以下)================= 現在、核兵器の廃絶に向けては複数の動きがあり、その一つが核兵器禁止条約です。 その一方で核兵器廃絶に向けた別の動きも存在しています。令和元年の国連総会本会議では,日本、提出の「核兵器のない世界に向けた共同行動の指針と未来志向の対話」の決議が160か国の支持で採択されました。 これは毎年なされている決議であり、日本は立場の異なる国の橋渡しを行い、近年核兵器保有国の米・英を共同提案国に引き入れることに成功し、フランスも賛成に回るようになり、核兵器禁止条約の採択に賛成した国の中からも80か国以上がこの決議に賛成をするに至っています。 なお、ミクロ経済学の、ゲーム理論において、ナッシュ均衡という言葉があります。 こうした状態では、核に頼るすべての国が核抑止力の放棄をすることが最も効用を高めることになります。しかし、相互不信の国同士で自国だけの軍縮は、核抑止力による相対的安全性を低めるため、脱核兵器に舵を切れずに、むしろジリジリとお互いに軍拡競争に走りがちです。 つまり、核抑止力に頼る背景には、「相手に対する不信」と、「相手よりも高い安全を手に入れないと気が休まらない恐怖感」という二つの不安から生じています。 この状態で、みんなで時間をかけて足並みをそろえた、「核兵器のない世界に向けた共同行動の指針と未来志向の対話」、の方法は、どこかの国が核兵器を隠し持っていたり、こっそり核兵器開発を続けるかもしれないと不信感を持つと行き詰ってしまいます。また、周囲に対する不信を抱えておびえている国の人々を説得することも容易ではありません。 その一方で、ナチスに抵抗したドイツのボンヘッファーが1934年に「安全の道を通って平和に至る道は存在しない。なぜなら、平和はあえてなされなければならないことであり、平和は一つの偉大な冒険であるからだ。それは決して安全保障の道ではない。平和は安全保障の反対である。安全を求めるということは、相手に対する不信感をもっているということである。そしてこの不信感が、ふたたび戦争を引き起こすのである」と述べています。 私たち人間は、たとえ、時に目の前の安全を手放し、様々な危険と向き合いながら、リスクを背負って挑戦をし、困難を乗り越えていく力を持つ生き物でもあります。また、悠久の昔から日本という国は、強大な国、技術や文化が進んだ国、より進んだ軍備や軍事力を持つ国に囲まれたり圧迫を受けたりしながらも、施政者・政治家の知恵や外交力や最低限の防衛力によって一度も滅びることなく生き延びてきた国でもあります。 私たちは様々な病いや事故、犯罪・ヘイトクライム・虐待被害などのリスクやストレスに常に囲まれながらも、ほどほどの安心をして生活をしています。私は核抑止力を手放し、失われる安全に対して、中野区民を含む日本人は物理的なリスクや精神的な不安に負けることなく、ほどほどの安心をして生き延びる力や勇気を秘めていると信じています。そのため、ある種のリスクを引き受けることになったとしても、勇気をもって平和に一歩踏み出す本陳情に賛成を致します。 しかし同時に、核抑止力を手放すことに不安を感じ、抵抗感を示す国民も少なからず存在しています。同じ「核兵器のない社会」というゴールを共有し、国連総会での決議を通して頑張る人や、この条約のオブザーバー参加を模索する人を責めたり、ましてや核兵器廃絶を政争の具としたりすべきでないと思います。「平和」のために「争う」のではなく、一致できる点を探し、連携・協力しながら共に核兵器のない世界を目指すべきです。それすらできずに核保有国と非保有国の間の溝を埋めることなど出来ません。 私の討論は以上です。
by wishizaka
| 2020-12-10 22:42
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