3月23日に2021年第1回定例会が閉会しました。いくつかの記事に分けて本定例会の報告をいたします。 令和3年度予算について(2021年第1回定例会) 3月11日の本会議での一般会計予算に反対し、その他の各種特別会計に賛成をしました。 また、用地特別会計以外の会計についての予算案に対して討論をしました。 (一般会計の採決では、自民・立憲・公明・共産・都ファ・無所属無党派のうち4名の計37名が賛成し、 育緑・N国・無所属無党派のうち2名《むとう区議、石坂》の計4名が反対致しました。《育緑・N国は会派としては無所属扱いとなります》 また、可決した予算案には賛成多数となった公明党提案の付帯意見が付きました) ★ 一般会計について評価するところ ★ ① ここ数年増える一方であった予算規模の拡大に歯止めがかかったこと (1億円近いオリンピック・パラリンピックに関する取組みや4億円を超える新型コロナウイルス感染症対策の支出など、増要因がある中で歳出合計額の増が4.2億円に抑えられました) ② 具体的な施策としては、 ・文化的価値の高い旧中野刑務所正門の保存・活用に向けた検討、 ・シティプロモーション事業のダウンサイジング、 ・乳児用液体ミルクを含む防災対策の推進、 ・新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた事業者のための産業経済融資等利子補給、 ・新型コロナウイルス感染症拡大の影響による家計ひっ迫に対する就学援助の拡充、 ・一人一台の情報端末の運用の円滑化をすすめるGIGAスクール構想の推進、 ・(仮称)地域包括ケア総合計画の策定、 ・若年性認知症相談窓口における継続的相談支援の推進、 ・成年後見制度利用促進、 ・森林環境譲与税の活用先に図書館などすべての区民が利用可能な施設の備品購入等に用いる事、 ・住宅確保用配慮者を対象とした居住支援事業の推進、 ・水際作戦を行わない生活保護の申請受付、 ・木造住宅密集地域などの不燃化の促進 などは評価できます。 ★ 一般会計について今後留意すべきところ ★ ① 基金の取り崩しや区債の発行が増える状況が生じています。(新型コロナウイルス禍による経済への影響から減収が生じているため) ★ 一般会計について課題だと思うところ ★ ①構造改革による歳出の2割削減に拘らない政策判断も可能だったのではないか。(長期的な構造改革や放漫財政の防止は意識しつつも、新型コロナ禍における短期的な状況においては、新型コロナウイルス対策や、区民の健康や生活や生命を守るための支出は積極的に行うべき時期でもあります。また、来年度の税収減は最悪の状況ではない様相を示しています。) ②保育士宿舎借り上げについて、費用の一部負担を求めるようになること(区内では保育士が確保できず人員が足りない保育所も出始めています) ③中野生涯学習大学の再編において、関連する複数の部署ごとに議員の質問に対する行政職員の答弁にブレがあり、将来の状況が見えないこと。 ★ 一般会計について問題だと思うところ ★ ❶テレワークに関する予算が直近の委員会報告の内容と異なる予算内容となっていること。 ❷テレワークに関して、「調達ガイドラインに反する調達」がなされないようにすべきところ、違反とならないように今後は「調達ガイドライン」の方を見直すような発言がなされたこと。(自民党・公明党などが問題を指摘し、公明党が「庁内テレワークシステム導入にあたっては、正確な情報提供と正しい手続に則った適正な運用をされたい。」という意見を提案しました) ❸「(証拠となりうる書類名とその記載内容を紹介したうえで)生活保護課において、偽装請負がなされている。違法ではないか?」という指摘が(現区長派である)共産党の議員からなされました。私はこの指摘に関し、共産党が主張するように偽装請け合いがなされているのだとしても、区行政が主張するように偽装請負がなされていると疑われるような記録が事実に反して存在しているのだとしても、どちらにしても大きな問題だと考えます。(共産党は違法であることの問題を指摘したうえで、その改善が図られることがないままに予算案に賛成をしました) ❹予算審議において、区民分科会で区民部の行政職員について質問を行った際に、「(区民部の事業ではあるが)考えたのは私たちではなく、企画課などで決めたことであるから、区民部では説明ができない」という答弁が繰り返しなされ、十分な審査ができなかった。 ⇒予算書の内容に関しては賛成をしたいところでしたが、問題点として掲げたような①直前の説明と異なる予算であること、②ルール違反をしないようにするのではなくルールの方を変えようとすること、③違法性があるあるいは違法性が疑われるような不備のある書類が存在している予算であること、④予算審査において説明責任が果たされないままであることから、令和3年度予算に対して反対をいたしました。 予算の内容に関して、何が必要で、何が不要不急かはそれぞれ価値観が分かれるところではありますが、今回➊~❹私が指摘した点は当然改善すべき事柄であるとともに、①・③・④については昨年の予算審議においても、さんざん同様の指摘をしたことであり、また、きちんとなされることが政治信条などに関わらず当然必要なことです。これらが改善をされなかったことは大変問題です。来年度の予算審議ではこうした問題を指摘せずに済むようにしてもらいたいと思います。 第5号議案 令和3年度中野区一般会計予算に反対の立場で、 第7号議案 令和3年度中野区国民健康保険事業特別会計予算、 第8号議案 令和3年度中野区後期高齢者医療特別会計、 第9号議案 令和3年度中野区介護保険特別会計予算、に賛成の立場で討論をします。 順不同となりますが、まず、後期高齢者医療特別会計については支払い方法の拡充が図られたことについて評価をいたします。今後さらに利便性の高い支払方法の拡充をしていただけたらと思います。 次に、国民健康保険特別会計においては、今年度の補正予算で予算化された国民健康保険に加入する被用者に対する傷病手当金が当初予算から計上されています。他自治体では国の制度設計に捉われず、国民健康保険加入について、被用者あるいは給与所得部分のみならず、自営業者やフリーランスなどの個人事業主に対する傷病手当金や傷病見舞金の開始が各自治体の判断で開始されています。先日の一般質問での区長からの答弁のとおり、国の動向を注視するだけでなく、中野区が独自の判断で傷病手当金などの支給に踏み切るかどうか、先行自治体の取組や状況もしっかりと調べて検討をお願いします。 そして、一般会計については、1億円近いオリンピック・パラリンピックに関する取組みや4億円を超える新型コロナウイルス感染症対策の支出など、増要因がある中で歳出増合計額が4.2億円で押さえている状況にあり、ここ数年増える一方であった予算規模の拡大に歯止めがかかった状況ではあります。 もちろん、新型コロナウイルス禍による経済への影響から減収が生じ、基金の取り崩しや区債の発行が増える状況は生じています。 こうした中で、長期的な構造改革や放漫財政の防止は意識しつつも、新型コロナ禍における短期的な状況においては、新型コロナウイルス対策や、区民の健康や生活や生命を守るための支出は積極的に行うべき時期でもあり、また、来年度の税収減は最悪の状況ではない様相を示しています。2割削減ありきではない政策判断も可能だったのではないでしょうか。 次に具体的な施策としては、旧中野刑務所正門の保存・活用に向けた検討、シティプロモーションのダウンサイジング、乳児用液体ミルクを含む防災対策の推進、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた事業者のための産業経済融資等利子補給、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による家計ひっ迫に対する就学援助の拡充、一人一台の情報端末の運用の円滑化をすすめるGIGAスクール構想の推進、(仮称)地域包括ケア総合計画の策定、若年性認知症相談窓口における継続的相談支援の推進、成年後見制度利用促進、森林環境譲与税の活用先に図書館などすべての区民が利用可能な施設の備品購入等に用いる事、住宅確保用配慮者を対象とした居住支援事業の推進、水際作戦を行わない生活保護の申請受付、木造住宅密集地域などの不燃化の促進などは評価できます。 ただし、保育士宿舎借り上げ支援事業の見直しによる宿舎借り上げ費用の一部負担を求めるようになること事、関連する部署ごとに議員への答弁の異なる中野生涯学習大学の再編において関連する各所管の答弁のブレなどもあり将来の状況が見えないことなどは課題が残ります。 また、全体に係ることとして、昨年は地域開放型学校図書館の予算が直近の委員会報告を踏まえない内容となっていましたが、今回もテレワークに関する予算が直近の委員会報告を踏まえない内容となっている事、予算委員会の全体会において調達ガイドラインに反する調達がなされないようにするのではなく調達ガイドラインの方を見直すような発言がなされたことは問題です。 また、生活保護を巡って他会派の議員の予算総括質疑において、実際の偽装請負の真偽はともかく、法令の定めに反し「違法ではないか」という指摘が他会派の議員からなされました。私は業務委託は即違法とは思いませんが、偽装請負に関し、偽装請け合いがなされているのだとしても、偽装請負がなされていると疑われるような記録が事実に反して存在しているのだとしても、どちらにしても大きな問題です。 さらに、また、予算審議において、区民部所管の内容を扱う区民分科会では区民部と環境部の管理職しか登壇できないのにもかかわらず、所管の内容について企画課などの他部署が考えたことであるから区民部の理事者では説明ができないという答弁がなされ十分な審査ができなかったことは大きな問題です。 最後に、介護保険特別会計においては認知症の早期の相談・診断・支援を進めるための「認知症と共に暮らす地域安心事業」の推進がなされるなど、高齢者や介護者によりそう取組を高く評価します。高齢者だけでなく、障碍者や子どもを含む地域包括ケアのしくみづくりはますます大変な状況にありますが、今後も着実に進めてもらえることを期待しております。
by wishizaka
| 2021-03-24 00:44
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