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#中野区 いじめ防止等対策推進条例 賛成討論(#中野区議会 2021年第1回定例会)

 3月23日の本会議において、いじめ防止等対策推進条例 に賛成の立場から討論をしました。
本条例は採決の結果全会一致で可決をしました。

★ 討論の主旨 ★
中野区では今回の条例は区立の小中学生のみを対象としている。
それに反対するものではないが、
イジメは公立小中学校の児童生徒同士のみで行われているのではない。
私立学校、近所・児童館・学童クラブなどでも起こるし、幼稚園や保育園でも起こる。
最近ではトランスジェンダーの幼児のいじめの事例がニュースとなり、
私も幼児期にいじめにあった。
板橋区の条例や、国立幼稚園のいじめ防止基本方針で幼児のいじめ防止に取り組む例もある。
今後中野区では子どもの権利に関する条例が今後検討されることになっているので、
今回の条例ではカバーしきれないいじめや、子ども同士の言葉や暴力によって傷を負うことが無くなるしくみづくりがなされることを期待する。


★ 討論全文(手元の原稿。実際の発言と異なる部分があります) ★

第26号議案 いじめ防止等対策推進条例に賛成の立場で討論を致します。
 本条例は区立小中学校において、児童生徒のいじめを防止するための対策を総合的かつ効果的に推進することを目的とするものです。
 その主旨については賛成するものですが、他自治体では「東京都板橋区いじめ防止対策の基本理念、組織等に関する条例」のように幼稚園や保育所を含む条例としている例があります。
 朝日放送テレビのABCニュースや共同通信の47ニュースなどで、2月12日に「大津市在住の体は男の子、心は女の子、と性別に違和感をもった6歳の保育園児が、園でいじめられ、いじめによって円形脱毛症や適応障害と診断され、去年10月以降登園できていません。」
 「他の園児からは持ち物を取られたり、仲間外れにされたりしたほか、暴言や暴力のいじめも受けた。ストレスからか、園児は円形脱毛症になった。
 両親は園や市に改善を求めたが、園は『(加害園児の)成長過程での行為』『じゃれあい』などとして、『いじめとは思っていない』と回答。園児が覚えたてのひらがなで『なかまはずれ』『ぼこぼこ』などと書いたメモを握りしめて市に相談に行ったこともあった。両親が継続して対応を求めた結果、市は最終的にはいじめがあったことを認め、園の対応が不十分だったと謝罪した。しかし、それは園児が年長になった後の昨年11月のことだ。いじめはその後も解消せず、園児は現在も不登園状態が続いている。」との報道がありました。
 「何をもっていじめと定義するのか」、「幼児期ではイジメている側がいじめを理解することが難しい」ということも言われます。しかし、ことばの定義はともかく、言葉や暴力によって日々傷つけられている子どもが幼稚園や保育園においても存在しています。
 幼児期は言葉にならなくとも敏感にさまざなこと、とりわけ自分と違う存在を直感的に感じ取る敏感さを持つことがままあります。かなり昔の事となりますが、「同性愛者」という言葉を私自身も友達も知らなかった幼児期において、私は「男の子らしくない男の子」として虐めにあいました。
 遠足において、私と同じ年長児クラスの幼児と年中児のクラスの幼児とが手をつないで歩く際に、同じクラスの友達から年中児クラスの子たちに向かって、私のことを指しながら「あのお兄ちゃんはヘンだからいうことを聞いちゃだめだよ」などと言われることがままありました。また、砕石が敷き詰められた未舗装の道の小石を次々に投げつけられる、小学生の兄弟に入れ知恵をされた子から犬の糞を口にさせられるなどがありました。そして、最終的には腕を引かれて無理やり幼稚園に連れていかれたものの、登園することを拒否をしたこともありました。
 これに対して幼稚園の先生からは、私が男の子集団の中で男らしく遊ぶ子になれば解消するかのような対応をされました。
また、小学校に進学し先生がいじめとして扱ってくれるようになるまでその状況が続きましたが、いじめを行っていた友達はもちろん、私が流血している姿を見たことがある、その子たちのご両親も子どもが行っている行為にたいして叱るという事こそあれ虐めであるという自覚がなく、過去の行為を小学校の先生に告げ口されたと私の両親が近所でいづらくなるという事にもなりました。
 愛知教育大学附属幼稚園 いじめ防止基本方針では、「いじめの防止についての基本的な考え方」として、「いじめは、集団内の一定の人間関係を背景に、特定の者を攻撃する人権侵害の行為であり、いじめられた幼児・児童・生徒の心身に深刻な影響を及ぼす許されない行為である。愛知教育大学では、『いじめ防止対策推進法』を受け、各附属学校において『いじめ防止基本方針』を定めている。幼稚園は法律の対象ではないが、小学校低学年でも懸念されている状況にあり、小・中学校のみならず、附属幼稚園においても『いじめ防止基本方針』を制定することとする。
どの子どもでも被害者にも加害者にもなりうるという事実を踏まえ、教職員は、日頃から
ささいな兆候を見逃さないように努め、被害による苦しみを子ども一人で抱え込んでしまわないよう、園全体で組織的に指導に当たる。
何より幼稚園は、幼児が教職員や周囲の友だちと信頼できる関係の中で、安心・安全に生活できる場であることが大切である。幼児一人一人が大切にされているという実感をもつとともに、お互いに認め合える人間関係をつくり、集団の一員としての自覚と自信を身に付けることができる幼稚園づくりに取り組むこととする。幼児たちが、さまざまな体験活動等を通して多様な他者と交わり、人間的に成長できる取組の充実を図る。」としています。
 そのため、本条例には賛成を致しますが、全てのいじめをカバーできるものではありません。
私立の学校や幼稚園などに通う子どもや、公立学校であっても別々の学校に通う子どもたち同士で、近所であるいは児童館や学童クラブのような集団生活の場で虐めは起こります。
 中野区では子どもの権利に関する条例が今後検討されることになっていますが、今回の条例ではカバーしきれないいじめや、子ども同士の言葉や暴力によって傷を負うことが無くなるしくみづくりがなされることを期待し、賛成討論といたします。



by wishizaka | 2021-03-24 01:10 | 議会内の活動(質問など)
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