令和3年度第3回定例会において、令和2年度中野区一般会計歳入歳出決算、同用地特別会計歳入歳出決算、同国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算、同介護保険特別会計歳入歳出決算に賛成の立場で討論をいたしました。ただし、手放しで賛成ということではなく、課題や改善すべき点などの指摘を行う主旨で行いました。 手元の原稿を元にした内容は以下の通りです。 ==以下==
令和2年4月から令和3年3月までの令和2年度は、一般会計予算と用地特別会計に残がある地方債残高から、(財政調整基金や減債基金を含む)預金現金計を差し引いた実質的地方債について、令和元年度のマイナス284億円からマイナス110億円となり負債の残高が174億円上昇しました。これは、現金・預金が26億円減少し、地方債残高が46億円増加したことによりますが、今回の地方債の増の主な原因は用地特別会計平和の森小学校の学校移転用地及び道路用地の土地購入による増となっています。また、一般会計の起債も多くが小中学校の校舎等整備によるものです。
また、ここ近年改善していた、将来世代が利用可能な資源を蓄積していることを示す純資産比率や社会資本等形成の世代間負担比率がそれぞれ92.4%と、4.6%となり一定の後退が見られましたが当該年度から4年前の平成28年度と比べれば、令和2年度の方が良い数値を示しており、新型コロナウイルス感染症拡大による区財政への影響がかなり限定的に済んだと言えます。
しかし、現在新規感染者数が減少傾向となっている新型コロナウイルス感染症がワクチン接種の更なる広がりによる効果で更なる減少をし、重症者数や病床の空き数についても改善をしていくのか、冬に向かうにつれてあるいはブレークスルー感染によって再び感染者数などが増え始めるのかがまだはっきりとしない中、子育て先進区として、次世代に過大な負債を残さないよう、財政調整基金などについて持続可能な積み立てと取崩しによる繰入を行う必要があります。
なお、実質単年度収支が28億円と、平成29年以来の黒字となったこと、公債費の減と特別区税や地方消費税交付金などの増により、経常収支比率が77.1%へと前年の80.3%よりも改善し、23区平均よりも良い状況になったことは良かったと思います。
さらに、中野区の有形固定資産減価償却率も過去3年間下がり続けてはいますが、近隣の新宿区よりも低くはあるものの、杉並区、練馬区、豊島区と比べて高い62.0%となっており、本年7月に中野区区有施設整備計画(案)により、施設改修などを含めたスケジュールは示されましたが、将来的な施設改修の金額のめどと、資金のめどを示すことが急がれます。
なお、令和2年度各施策の評価につきましては、 一般会計においては、歳入面に関して、税務における収納率の向上に向けて、新たにショートメッセージ発信による納付率向上を目指しましたが、目標の7倍近くの実績を上げ、対象となる1億14,79万2千円のうち7千8,81万7千円の納付を実現したことを高く評価します。 また歳出について、住まいや就労機会の確保や、依存症への対応を含めた中野区再犯防止推進計画をスタートさせたこと。自殺予防対策としての、電話や対面に加えての自殺対策メール相談の開始、令和2年4月1日に施行された手話言語条例や障碍者の多様な意思疎通の促進に関する条例に基づくヒアリングループの購入、手話の普及に関する活動、点字プリンターの購入と各種通知等の点訳、新型コロナウイルス禍における区内事業者からの融資相談や認定申請の増加に備えた窓口の拡大とスムーズな手続き強化、外国人のための中野生活ガイドブックの作成とAI多言語通訳システムの運用、新規開設の新総合体育館においてサブアリーナがウェルチェアラグビー(車椅子ラグビー)などの車椅子競技に対応し、隣接の水再生センターの排熱利用もする形での開設などが進んだことは良かったと思います。
なお、国民健康保険事業特別会計に関しましては、新型コロナウイルス感染症者等への傷病手当金について国民健康保険加入者のうち被用者分は着実に進められているなど適切な制度運営がなされていますが、他自治体では広がりつつある個人事業主の給与所得を除く部分に対し、被用者と同様に傷病手当金を支給することについてしっかりと検討を進めて頂きたいと思います。
そして、介護保険特別会計に関しましては、現年分の普通徴収の収納率が88.9%から91.0%と2.1ポイント向上しています。また、滞納繰越分も17.8%から19.3%へと1.5ポイントの改善をしています。これらについて平成30年度から令和元年度の差が1%未満の改善であったことを考えると評価いたします。今後もコロナ禍の状況を踏まえて、納付ができない方について、適宜減免についての周知や案内を丁寧に進めて頂ければと思います。
なお、当該令和2年度の議会での質疑や今回の決算の審査において、各所管の部課ごとに同じ事柄に対する答弁が異なる状況が散見されました。また、常任委員会等で所管する部署の部課長が他の部署が決めたことであるからという理由で十分な答弁ができないことがありました。昨年の決算の賛成討論でも申し上げましたが、令和2年度は職員のコミュニケーション不足や組織を統括することの不十分さに不安を引き続き感じる1年間でした。 こうした状況については早急な改善を求めます。 以上、評価すべき点に加え、課題などの指摘も致しましたが、予算の執行において違法・不当な点はないという認識であることから、認定第1号、第2号、第3号、第5号の各決算認定の賛成討論といたします。
by wishizaka
| 2021-10-04 23:40
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