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2023年第三回定例会における、決算への討論内容


 2023年第三回定例会における、2022年歳入歳出決算への討論内容です。
以下は口述筆記ではなく、私の手元の原稿の転載です。原稿通りに読めていない場合があります。

 今回の討論では、課題などの指摘も致しましたが、予算の執行において違法・不当な点はないため、全ての決算に賛成をいたしました。
なお、私の立場としては、インフレ・物価高騰に対し、短期的な対処療法で長期的なインフレ促進策となってしまうことを避けるため、
区民のみなさんに対し(セイフティネットに漏れが無いようにしつつも)節約をお願いし、根本的な目の前のインフレ対策と将来のデフレ対策をきちんと行うべきである旨主張をしました。(アダム・スミスの考え方に基づく古典派経済学の考え方でも、ケインズの考えに基づくケインジアンの考え方でも、市中に通貨が増えることはインフレを後押しすることになります)

以下がわたしがおこなった討論の原稿内容です


 認定第1号、第2号、第3号、第4号、第5号の各議案、令和4年度中野区一般会計歳入歳出決算、同用地特別会計歳入歳出決算、同国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算、同後期高齢者医療特別会計、同介護保険特別会計歳入歳出決算に賛成の立場で討論をいたします。

 令和4年4月から令和5年3月までの令和4年度は、新型コロナウイルス禍と、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う物価上昇、中野区内では納税義務者一人当たりの納税額は増えましたが、納税義務者数が203,322人から203,042人に減る1年間となりました。

 一般会計予算と用地特別会計を合わせた普通会計に残がある地方債残高から、(財政調整基金や減債基金を含む)預金現金計を差し引いた実質的地方債について、対前年度比で55億円減のマイナス188億円であることを評価いたします。

この背景の1つ目としては、酒井区長になって当初減っていた基金残高が持ち直し、財政調整基金が対前年度比48億円増の348億円、それ以外の基金も含む基金残高が対前年度比103億円増の413億円となったことがあります。なお、これは、名目額でみた際にそれぞれ16%、15.5%の伸び。インフレ率2.5%を踏まえた実質額では鈍化はするものの、それでも、13.2%12.6%の伸びとなっています。

 また、背景の2つ目として、区債については名目額でみた際に1億円増えていますが、基金の伸びと比べ低く抑えられています。なお、これは名目額では前年比0.4%の増ですが、インフレ率2.5%を踏まえた実質額では2%減となり、新規の区債発行を少なく抑えられました。

ただし、区債については、国の政府方針が現在のインフレ促進リスクを伴うインフレ対策から、根本的な物価上昇を抑えるための総需要抑制へと舵を切るとき、あるいは、行き過ぎた円安を円高基調に向かわせようとした時に、日銀が令和5728日の長期金利の変動幅の上限を事実上1%に引き上げた流れで、今後、ゼロ金利政策を解除して金利の引き上げを行っていくと、短期で借り換える借入や区債が金利上昇の影響を大きく受けることになりますので、区債や借入をより長期のものにするなど、負債の在り方を見直すことも検討頂きたいと思います。

 また、令和元年度から4年連続で区債残高と債務負担行為額を合わせた将来負担額が基金残高を上回っていること、さらに区民一人当たりの基金残高は23区平均よりも低く、区民一人当たりの区債残高は23区平均を上回っていることも懸念点として指摘致しておきます。

 そして、令和3年度の決算の歳出額は1543億円で、インフレ率2.5%を考えると同じ事業を単純に翌年度にも行うとした場合の歳出額は1582億円となります。一方で、実際の4年度の歳出額は1622億円余。その差は40億円。年間の積立額が令和3年度と比べて令和4年度は100億円増えていることは、貨幣の過剰供給をすこしでも解消させることを考えた場合には中野区単独では限られた範囲ではなりますがプラスであると評価いたします。

しかし、財政調整基金は、年度によって生じる財源の不均衡を調整するために、財源に余裕がある年度に積み立て、財政に余裕がない年度の為にとっておくというものです。やみくもに財政調整基金に積むのではなく、物価スライドの視点も入れつつの目標額を定め、それを超えた分はまずは、既存の施設更新にかかる特定目的基金や、既存の特定目的基金では対応ができない施設の更新などのための新たな基金を設けて積むこと。そして、それでも余裕がある場合は、インフレ期に積立てて、デフレ期に積極的に取り崩す、物価下降対策の基金も新設することを考えるべきです。

景気は循環し、インフレとデフレは繰り返し訪れます。将来的には必ずデフレで苦しむ時代がいつか必ずやってきます。その時に区の財政を切り詰めて、それで足りない部分を財政調整基金で穴埋めをして乗り越えるという発想だけでなく、インフレ期に物価上昇に合わせて市中の貨幣を回収しつつ、名目的に増える税収などを積立て、区内景気対策としてのデフレの時期に財政出動ができるように積み立てをしておくべきであり、神山区政の負の遺産を引き継いでしまった田中区政でできなかった、物価が上がっている時には区民に家計の工夫をした節約をお願いする代わりに、物価が下がって景気の悪い時には区民の消費を喚起する。そうしたことを、未来にデフレを経験する中野区長がデフレ期に積極財政を取れるような仕組みを作っておくべきと考えます。

インフレ・デフレの目先の対処療法ではない根本的な対策は一自治体が頑張って実現できるものではないかもしれませんが、中野区がモデルとなるくらいの気持ちで考えてみて頂けたらと思います。

 なお、将来世代が利用可能な資源を蓄積していることを示す純資産比率が93.2%へと改善し、社会資本等形成の世代間負担比率が前年と同じ4.5%となり、子育て先進区として、将来世代を担う子どもたちの未来の負担をより小さくすることができたと思われます。

 さて、令和4年度の一般会計における各施策の評価につきましてです。

歳入面に関しては、オンライン決済を含む多様な納付の機会の拡大をすすめ、特別区民税の収納率の向上の取組により、滞納繰越分を含む住民税収納率が97.4%で過去最高となったことを評価いたします。

また歳出について、ここ近年、地域包括ケアの対象でありながら、高齢者や子ども一般と比して、劣後であるように感じたり、想定から抜けてしまったりしているのではと感じられたりしていた障がい児者に関する予算。これにおいて、在宅訪問指導の法内化による居宅訪問型児童発達支援や、在宅の人工呼吸器使用者に対する停電時等の非常用電源装置の給付の新たな実施、家族等介護者が新型コロナウイルス感染症に感染した場合の在宅障碍者受け入れ態勢整備事業や生活寮の法内化に向けた再整備の推進などが行われたことを評価します。

 なお、国民健康保険事業特別会計に関しましては、新型コロナウイルスの影響による保険料の減免をしつつ、保険料現年度分・滞納繰越分共に保険料収入率が令和2年度、3年度を上回っている事は評価いたします。

一方で、新型コロナウイルス感染症者等への傷病手当金について国民健康保険加入者のうち被用者分は281件に対して平均36,998円が支払われ、適切な制度運営がなされていますが、予算現額の約1726万円に対して見込み差による不用額が約687万円生じています。個人事業主の給与所得を除く部分に対し、被用者と同様に傷病手当金を支給することに前向きな検討を進めるべきであったと思います。なお、令和557日までに感染し、療養のため労務に従事ができなかった国民健康保険加入者の被用者は2年間以内なら請求が可能です。営業やフリーランスなどの個人事業主について、政治判断をすれば、2025年度の5月までは、過去のコロナウイルス感染症の傷病手当の請求ができることを指摘しておきます。

 次に、後期高齢者医療特別会計については収納率が対前年比及び計画と比べて0.1%減少したものの、99.3%を維持したことは評価いたします。

 ただし、国民健康保険でもいえる事ですが、特に後期高齢者医療の還付未済額が多く増えています。徴収だけに力を入れるのではなく、還付についてもしっかりと行うように求めます。

 そして、介護保険特別会計に関しましては、還付未済額が2.5パーセント減少したこと、

重層的支援体制整備事業の実施にむけた検討状況に関し、予算審議の段階で十分な報告がないままに進んだために、私は当初この特別会計の予算案に反対をいたしましたが、その後、改めて委員会での丁寧な報告などがなされたことは一定の評価を致します。

 以上、評価すべき点に加え、課題などの指摘も致しましたが、予算の執行において違法・不当な点はないという認識であることから、認定第1号から第5号の各決算認定の賛成討論といたします。






by wishizaka | 2023-10-11 02:09 | 議会内の活動(質問など)
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