10、11月と、区立小中学校の道徳授業地区公開講座に参加してきました。
これは、道徳の授業を保護者以外の地域住民にも公開し、公開授業の後には意見交換会で教員や参観者が道徳教育について意見を交換するというものです。私は小学校3校(うち、一校は特殊学級の授業の参観)と、中学校1校の公開講座に参加をしてきました。
ある小学校の中学年の授業では、障害者や高齢者のための街づくりについて学習をしていました。子ども達は先生が配った架空の街の絵を見て、その街の中に障害者や高齢者のためにどういう工夫がされているのかと言うことを出し合い、先生がそれを黒板に書いていきます。
視覚障害者のための音の出る信号機や案内板、身体障害者のためのスロープ、聴覚障害者でも分かりやすい車内での電光表示。高齢者や車椅子利用者、背の低い子どもなどでも利用しやすい高さの低い券売機、お年寄りが座れるベンチ、次々と発見していきます。
こうした小さい頃に学んだことを生かして、やがて大人になったときに、
「自分達の住む街にも、不便を感じている人がいて、その人のために、こういうものがあるといいよね。」というような考え方のできる人になってくれるんじゃないかな。
そんな期待が膨らむ授業でした。
また、ある中学の授業ではハンセン病の元患者の方の人権について学んでいました。
そこの授業で最後に「ハンセン病の方について学んだことを決して他人のこととして学ぶのではなく、身近なイジメの問題などにも考えをめぐらせていくことが大切。」という話がありました。
社会的な弱者の抱えている問題を、自分達の問題として取り組んでいくことが、
誰にとっても安心して暮らしていける世の中につながっていくんだということをこれをきっかけに
多くの子どもが気づいてくれればいいなと思いました。
そして、また別の学校の意見交換会には保護者だけでなく、町内会の役員の方や、地域の塾の先生なども参加し、子どもの褒め方や叱り方、食事の大切さなどについても多くの意見交換がされていました。
教育は、全ての子どもが通過する、将来の市民を育てる場です。子育て期のお父さん、お母さんだけでなく、全ての人がこれからの教育について見守り、語り合っていけることの大切さをとても感じました。