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中野区のパートナーシップ制度についての報道


中野区でも、パートナーシップ制度が始まる件について、報道がされています。



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★東京新聞 2018年5月10日(朝刊)社会面(27ページ)
 「中野区 同性パートナー認定へ」
 ~田中大輔区長は「区ができる範囲で不便を解消し、利便性の確保を進めていく」~

★ 同   2018年5月9日17時18分(オンライン版)
 「同性カップル宣誓に受領証交付へ 東京都中野区、今夏から」(共同通信)


★毎日新聞 2018年5月10日(朝刊)東京地方面(21ページ)
「中野区 同性カップルに証明書 『パートナー宣誓』受け付けへ」
~田中大輔区長は「同性パートナーということで社会的に不便を感じている人たちに対して、少しでも不便を解消できることを考えるべきだ」~

★ 同   2018年5月10日(オンライン版) 
「中野区 同性カップルに証明書 『パートナー宣誓』受け付けへ /東京」
~田中大輔区長は「(同性カップルの)当事者を含めて、いろいろ話を聞いたりしながら準備をしてきた」※1 ~

★産経新聞 2018年5月10日(朝刊)東京地方面(22ページ)
「『同性カップル』に受領証 中野区 今夏から宣誓書受け付け」

★朝日新聞 2018年5月10日11時24分(オンライン版)
「中野区も性的少数者のカップル認定制度 8月にも導入」
~区は「一定の便宜を図り、差別解消の一助になれば」~

★共同通信 2018年5月9日 17:18(オンライン版)

★47NEWS
 2018年5月9日17:18 (オンライン版)

★沖縄タイムス
 2018年5月9日17:18 (オンライン版)
「同性カップル宣誓に受領証交付へ 東京都中野区、今夏から」

★徳島新聞
 2018年5月9日17:18 (オンライン版)
「同性カップル宣誓に受領証交付へ 東京都中野区、今夏から」

★北海道新聞
 2018年5月9日17:36 (オンライン版)
「同性カップル宣誓に受領証交付へ 東京都中野区、今夏から」


※1
 区長の英断や発言の背景には、以下の写真のように、区長自ら当事者との接点を硬軟様々な形で持ってきたことや、
当事者団体が区長や区の担当職員にアプローチをしてきたことがありました。 
 特にパートナーシップ制度に向けた機運を盛り上げるべく活動をされてきた団体である 
「中野にじねっと」(山縣真矢共同代表<東京レインボープライド共同代表>)、
全党派が参加をした議員向けの勉強会を主催された団体である
「中野区にも同性パートナー公認制度を!実行委員会」(福島光生共同代表<元新宿二丁目振興会長>)
の役員やメンバーの皆さんあるいはこうした団体が、行政や区長と親密な連携をして様々な取り組みやアプローチをされてきたことに敬意を表するとともに、中野区内のLGBTやally(アライアンス)の区民の皆さんに感謝を致します。
  

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 ↑(2014年 東京レインボーウィークのイベントとして開催されたトークオブレインボーウィークに
   区内の著名なゲイのゲストとともに登壇 <写真右>
ゲイズトークやゲストや来場された皆様ありがとうございました。

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↑(2014年 中野区内のLGBT団体、ゲイバー、レズビアンバー、トランスジェンダーのカフェに足を運ぶ。写真は新井薬師のゲイバーZATTA) マスターやお客様皆様ありがとうございました。

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↑↓(2016年 地元のLGBT団体である中野にじねっとと中野区の共催イベントに登壇。
   にじねっとの山縣真矢共同代表(東京レインボープライド共同代表)
   ・永野靖共同代表・大江千束共同代表(LOUD代表)他と一緒に登壇。)
登壇された皆様、裏方の皆様、来場された皆様ありがとうございました。
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by wishizaka | 2018-05-10 16:19 | 同性パートナーシップ | Trackback

中野区でも同性パートナーシップ制度がスタートします!


 私以外にも複数の中野区議会同僚議員の尽力や、田中大輔中野区長の英断により、中野区でも同性パートナーシップ制度がスタートします!

 本日の中野区議会総務委員会において、ユニバーサルデザイン推進担当副参事より、同性パートナーシップ制度についての報告がありました。

【中野区パートナーシップ宣誓について】

★概要
(1)お互いを人生のパートナーとし、日常生活において、相互に協力し合って継続的に同居して共同生活を行うことを約束した同性パートナーが、こうしたパートナーシップにあることを宣誓し、宣誓書を住民票や戸籍抄本などと併せて提出した場合、区が要件を満たしていることを確認の上、宣誓書等受領証を交付します。
(カップルが宣誓をしたことを区が確認したことを明記予定)
<世田谷区等の同性パートナーシップ宣誓書受領証に近い形>

(2)宣誓しようとする方または宣誓をした方が希望する場合は、確認書に以下のA~Dの書面を添えて提出することができます。これに対して区は(宣誓書等受領証に加えて)これらの書面にかかる受領証を交付します。
A.二人のパートナーシップについて明記された合意契約公正証書または公証人の認証を得た書面
B.療養看護にかかる委任について明記された合意契約公正証書または公証人の認証を得た書面
C.任意後見契約公正証書
D.財産管理などの委任について明記され、公証人の認証を得た書面
(A~Dのいずれか一つか複数を提出すると、提出された書類が受領証に明記され、こうした書面を提出したカップルであることを証明する文言が明記される予定です)
<渋谷区のパートナーシップ証明に近い形>

 (1)に加えての(2)の申請については、同時に行うことも、後から必要に応じて追加で行うこともできる形となります。
 渋谷に近い形と世田谷に近い形を当事者がそれぞれの状況に応じて選択(追加)できるパターンとなるのが中野型です。

★今後の流れ(予定)
7月 区議会総務委員会に最終的な詳細な内容を報告
8月 宣誓申込受付開始


<参考>
【中野区における同性愛者・同性カップルをめぐる動向】
1986年 のちにNPO法人化をする団体「動くゲイトレズビアンの会(アカー)」が中野区内で設立される

1992年 今年27回目を迎えるLGBT映画の祭典「レインボー・リール東京」の第1回が中野サンプラザ6階研修室にて開催される(主催者:ゲイ・アート・プロジェクト 代表:南定四郎氏)開催

1995年 レズビアンとバイセクシュアル女性のためのコミュニティスペースLOUD(ラウド)が中野区内にて設立される

1999年 アカーが同性愛者の社会サービス事業体として、日本ではじめてNPO法人化(のちに、中野区保健所のHIV即日検査を受託)

2003年 中野区議会において、議員提出議案第15号「性同一性障害 を抱える人々が普通に暮らせる社会環境の整備を求める意見書」(「セクシャル・マイノリティを含む性教育の充実及び教育現場での理解」という文言を含む)が満場一致で可決。
(内容:http://kugikai-nakano.jp/view.html?gijiroku_id=2467&s=%E6%80%A7%E5%90%8C%E4%B8%80%E6%80%A7%E9%9A%9C%E5%AE%B3&#S2 )(提案代表者:大内議員《自民》)

2011年 ゲイであることをカミングアウトをして私(石坂わたる《無所属》)が2007年に続く2回目の区議選への挑戦で中野区議会議員に当選(豊島区の石川氏と同時に、日本で初めてのゲイの当事者地方議員が当選)し、LGBTや同性カップルが抱えることが多い困りごとや、現状の整備の不便さ・不十分さなどについて質問をし始める。(参考: http://ishizakawataru.jp

2014年 東京レインボーウィークの企画において田中大輔中野区長が登壇。また、区長が中野区内のLGBT団体の事務所や、ゲイバー・レズビアンバーを訪問し、当事者と対話の機会を持つ。

2015年 第1回定例会の一般質問にて、私(石坂わたる)と来住議員《共産》が同性パートナーシップ制度について質問。「同性カップルの証明の取り組みにつきましては、法的な効果について現時点では確認できないため、今後の議論に注目していきたいと考えてございます。」との答弁。(その後、私、石坂は、同じ質問を繰り返すのではなく、答弁を後退させないように留意しつつ、外堀を埋めるべく、《これまでのLGBTが抱えやすい困りごとなどについての質問に加えて》同性カップルに対して区ができることを増やしていく方向での質問を続ける。《同性カップル間の行政手続きの委任、同性カップルの同一世帯化、住まいが借りにくい問題、区営住宅に同性カップルが入居できない問題など》)

同年  中野区内の当事者団体「中野LGBTネットワークにじいろ」が中野区と共催でシンポジウム「すべての人が暮らしやすい中野区を目指して」を開催。(区長や教育長も登壇)

2016年「新しい中野を作る10か年計画(第3次)」(www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/101500/d022535_d/fil/3syo.pdf )にLGBTに関する記載。(247ページ他)

2017年 LGBT自治体議員連盟に中野区議会の公明党、共産党、民進党(当時)、生活者ネット、無所属(石坂)から、一部の議員が参加

2018年 「中野区にも同性パートナー公認制度を!実行委員会」主催の議員向け勉強会に、自民党、公明党、共産党、民進党(当時)、都民ファーストの会、生活者ネットワーク、無所属の各党派から一部の議員が参加(すべての会派からの参加)
同年 第1回定例会において、平山議員《公明》の質問に対して、田中大輔区長が「現実に公的証書等の発行によって一定の便宜が諮られる、このことについては、区としても取り組みを検討する意味があると考えております。公的証書等の発行などについて、条件や実効性等を見きわめながら検討していきたい」と答弁。
http://kugikai-nakano.jp/view.html?gijiroku_id=3273&s=%E5%85%AC%E7%9A%84%E8%A8%BC%E6%9B%B8&#S1
⇒この質問と答弁を踏まえ、その後に開催された予算委員会で甲田議員《公明》、来住議員《共産》、私(石坂)が同性パートナーシップ制度の詳細について質問。
石坂からは、(1)同性パートナーシップ制度はゴールではなくあくまでもステップの一つとして、今後の取り組みを進めることの必要性についての質問、(2)単身のLGBTや、カミングアウトができないカップルなどについても配慮をすることの必要性についての質問、(3)公正証書の作成とその費用の自己負担を必須としてしまうことによって所得の少ないカップルが排除されてしまうことがないようにすることへの要望 を行う。
(予算委員会の議事録はまだ調整中でHP等について未掲載)

同年 3月 石坂の質問の結果として、中野区において同性カップルが「同居人」として世帯合併をして住民登録上同一世帯化が可能になった。

同年 同月 中野区ユニバーサルデザイン推進条例が可決

同年5月8日 中野区ユニバーサルデザイン推進条例などに基づく同性パートナーシップ制度を今夏から始める旨、中野区議会総務委員会で行政からの報告。

様々な先人、区内の当事者団体、区内外の専門家や経験者、区民の皆様、その他関係各位みんなの力が結実したものと思います。
様々なご意見をいただいた皆様、ありがとうございます。

(その後の報道については、 中野区のパートナーシップ制度についての報道  を参照ください)

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by wishizaka | 2018-05-08 16:24 | 同性パートナーシップ | Trackback

同性カップルと住民票上の世帯。

 現在、東京特別区(23区)においては、22区が同性カップルが同一の世帯として住民登録をすることができ、1区が検討中となっています。
 また、同一の世帯として住民登録ができる場合も、続き柄が「世帯主と同居人」となる場合と、同居人よりもより関係性の強い「世帯主と縁故者」になる場合があり、そのどちらになるのかの基準も区によってまちまちであったり、「縁故者」としての登録が不可能な区もあります。

 しかし、実際に各区の状況を調べてみて、結構多い反応は、「同性カップルで同一世帯としての住民登録が可能だが、
同一世帯としての住民登録をしたいという同性カップルからの申請はなされたことがない」という答えがかなり返ってきました。

 皆さんが、お住まいの基礎自治体(市町村)で同一世帯になることが認められるかどうかがわからない。
また、同一世帯にしても大してメリットがないということもあるかもしれませんが。。。
でも申請をしてみることが、ニーズの顕在化にもつながるのではないかと思うところでもあります。

 現在、同一世帯になることができない基礎自治体でも同一世帯で住民登録をしたいということについてそれなりの申請件数があれば同一世帯にできるようにするかどうかの検討を基礎自治体がするきっかけになるかと思います。
 また、現在同一世帯になることができる基礎自治体でそれなりの申請・受理件数があれば何らかの同性カップルへの保障(それはパートナーシップ制度に限らずではありますが)を基礎自治体が検討するきっかけになります。
(なお、また、「同居人」しか認めないという区でも、「縁故者」での申請をしようとする人がそれなりの件数あれば、「縁故者」としての住民登録ができるようになる検討を基礎自治体がするきっかけとなる場合があります。)

 また、役所の窓口で手続きをすることについて「同性カップルとみなされるのが怖い」という方ももちろんいるかと思います。
ただ、少なくとも、東京23区においては、同性カップルが同一世帯となることが大丈夫、あるいはその方向で検討中という状況ですから、
パートナーと同居をするときやひっこしをするときなどの節目などに、
同性パートナーシップ制度ができたら登録をしたいという方はぜひ各区役所の窓口で同一世帯になるための手続きをするということも
検討してみていただけるとよいのではないかと思います。


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by wishizaka | 2017-10-18 01:43 | 同性パートナーシップ | Trackback

同性パートナーシップについて(1)~自治体による同性パートナーシップに関する制度について~

 自治体が作成する、同性パートナーシップに関する証明制度について、よく「渋谷区方式」、「世田谷区方式」と言われますが、パターンとしてその2つしかないというものでもありません。

例えば、次のような形で分類が可能です。

(1)何を証明しているのか

①同性パートナーシップ証明【二人がパートナーであることの証明】≪渋谷区≫

②同性パートナーシップ宣誓証明【二人がパートナであると宣言していることの証明】≪世田谷区≫


(2)制度を何によって定めているか。

①条例による【議会の議決を経て作られる(区長提案条例も議員提案条例も可能)。権利義務の付与や罰則が可能】≪渋谷区≫
②要綱による【首長の権限で作られる。権利義務の付与や罰則は不可】≪世田谷区≫


(3)二人がパートナーであることの根拠をどこに置いているのか。

①国の法律の基づく公正証書と居住・同一生計実態(財産管理等委任契約公正証書など)(作成は有料)≪渋谷区≫
②二人の宣誓と居住・同一生計実態(無料)≪世田谷区≫

 これ以外にも違いはありますが、上記(1)~(3)について様々な組み合わせが考えられます。また、3人以上での「家族である」ことを証明する方式(一方の親に連れ子や任活で出産した子がいる場合など)や、男女の夫婦と同様に別居でもよいというような同性パートナーシップ制度なども考えられます。

 なお、渋谷区の方式に限って一部の都市銀行が同性パートナー共同のローンを認めている例がありますが、もともと同性カップルに限らず、金融機関は公正証書による取引の委任契約などを認めてきた経緯があるため、条例方式か要綱方式かの違いではなく、公正証書がその根拠になっているか否かに依っているものと推測されます。

 



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by wishizaka | 2017-10-12 14:36 | 同性パートナーシップ | Trackback

同性パートナーシップについて(2)~国の法律に基づく同性パートナーシップの保障について~

では、条例がない自治体では、パートナーシップを証明したり、保障をする手立てはないのでしょうか?公的機関は国や自治体以外にもいくつかあります。日本全国には公証役場があり、公証人がいて、公正証書を作ることができます。公正証書は公証人法に基づき、法務大臣に任命された公証人が作成する公文書です。公証人は裁判官や検察官、法務局長などを永年務めた法律の専門家であり、準公務員という扱いになります。公正証書には証明力があり、執行力を有しており、安全性や信頼性に優れているとされています。

この何ページにもわたる公正証書によってパートナーであることが確認できていますよということを1枚の書類で証明してくれるものが渋谷区のパートナーシップ証明書であり、この証明書があることによって、役所の行政職員や、場合によっては民間企業等はことあるごとに公正証書の内容を一言一句確認する手間をかけることなく、区役所が発行した証明書によってパートナーであることの確認や一定の合意を二人がしていることが確認できるということになっています。

少なくとも中野区の行政のトップである区長は区共催のイベントで発言した内容は、パートナーシップ証明書が新たに権利などを付与するものではなく、国の法律に基づく公正証書がその根拠であるということを発言しています。

パートナーシップについての公正証書は日本のどこに住んでいる人でも作ることが可能であり、一定の効力を持ちます。
(ただし、利用する都度、公正証書の文言を一言一句行政職員が四で確認をするという手間は生じますが。)



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by wishizaka | 2017-10-12 14:35 | 同性パートナーシップ | Trackback

同性パートナーシップについて(3)~パートナーシップ制度がない自治体でできること~

では、区独自のパートナーシップ制度がない中野区の場合、公正証書を作成し、実態として共同生活を送っている同性カップルについて、どのような取り扱いがなされるのでしょうか。

当然ながらパートナーシップ制度がありませんから、一枚の証明書で簡単に二人の関係を証明することはできませんが、毎回複数ページにわたる公正証書を窓口等に持参をすることは可能です。(後述の記載などから勘案すると、中野区に限らずパートナーシップ制度がない自治体においても国の法律に基づく公正証書を作成することが、パートナーシップの証明として有効である可能性が高いものと思われます。

 ただ、公正証書を毎回持参する場合、行政等がチェックをする際にはそれなりに時間がかかることになるかと思われます。この負担は同性カップルにとっての時間的負担はもちろんのこと、行政サイドの時間的負担や労力的負担を伴います。多くの自治体で多くの同性カップルがこうした公正証書を行使し始めれば、「だったら、証明書類一枚で済むパートナーシップ制度を制度化したほうがお互いの負担が減ってよいのではないか」というきっかけにもなりうるのではないかと思われます。また、公正証書を持ち込むカップルが増えることは、同性カップルの存在の顕在化や、同性カップルが抱えるニーズの顕在化をすすめることとなり、これもパートナーシップ制度を後押しする力になるかと思います。

中野区はもちろん、他の自治体においても多くの同性カップルに公正証書を作成して行使してもらえればと思うところです。

参考に中野区議会における石坂の一般質問とその答弁(行政側の回答)を掲載しておきます。

====(以下、石坂の議会質問と答弁 2017年第2回定例会)==。

(*口述筆記ではないため、正確には区議会の議事録をご確認ください)

★質問★

石坂:
(前略)
2 家庭生活を支える委任契約と公正証書について

 家庭構成の多様化が進み、少子高齢化による身近な人がいない単身高齢者も増えている状況下での、家庭生活におけるニーズや、いざ支援が必要になった場合のニーズも多様化しています。そうした中で、状況に応じた公正証書の活用を考えていくべきです。

 公正証書とは、公証人法に基づき、法務大臣に任命されたm公証人が作成する公文書です。

この公証人は、裁判官や検察官、法務局長などの経験がある法律の専門家であり、準公務員です。また、「公正証書」には証明力があり、執行力を有しており、安全性や信頼性に優れています。

そこで、「愛情と信頼に基づいて共同生活を営んでいる」ことを明らかにし、「両名の共同生活の維持、相互の療養看護及び相互の財産の管理等を目的として」、一方が「任意代理権目録記載の事務を委任し、その事務処理のための代理権を付与する意思を表示し」、相手が「その趣旨を理解したうえで受諾をする」という契約を双方で取り交わし、その内容を公証役場の公証人が両当事者の陳述の主旨を録取し作成をした「財産管理等委任契約公正証書」にしたため、この公正証書の原本の写しである正本に「上記正本は公証人役場において原本に基づき作成交付する」ということが明記され公証人の署名押印がある場合。

なおかつ、身上配慮や健康状態の把握の努力や看護権を含む療養看護に関する特則などを公正証書本文部分に記載をしたり、代理権目録に「次の各書類、印鑑、証書等の保管および委任事項処理のために必要な範囲内の使用。登記済み権利証、実印、印鑑登録カード、年金関係書類、遺言書、戸籍・住民票に関するもの、国民健康保険・介護保険に関するもの、以上に関連する書類等」、「転入・転出の手続きに関する事項」、「医療に関する契約及び介護契約その他福祉サービス利用契約(施設入所契約を含む)に関する事項」、「相手方の子の医療・保育 ・福祉等行政手続きに関する一切の事項」、「事務代行者の指定に関する事項」「以上の各事項に関連する事項」と明記をしてある場合について伺います。               

(1)公正証書による委任契約の効果について

 同性カップル等がこうした公正証書を持参し、窓口の職員等に提示した場合、

・戸籍謄本や住民票の写しの発行、転入・転出の手続き、国民健康保険や介護保険に関する保険料の納付書の発行・保険証の交付や再交付、認可保育所の入園手続き、家族同様の共同生活を送る者としての区民相談等の利用は可能でしょうか。  

(2)愛情と信頼に基づく共同生活と世帯の取り扱いについて

 23区の中野区を除く各区では、男性同士・女性同士の友人同士あるいは同性カップルで同居をしている場合、あるいは同居かつ家計を共にしている場合について世帯主と「同居人」あるいは世帯主と「縁故者」の関係で同一世帯として住民登録ができるようになっています。

転出元の他区で同一世帯であったことを根拠に中野に転入をする際に同一世帯で住民登録をできた方もいますが、中野区では原則的には同性カップル等は同一住所で別世帯という扱いになっているようです。

 相互に公正証書を作成し、正本の発行を受けるには1万円以上の金額がかかるため、公正証書がなくても同性カップルが他区と同様に同一世帯になれることが望ましいことは言うまでもありませんが、少なくともこうした公正証書を作成し、今後も安定した関係性を構築する意思のあるカップルについては同一世帯とできる取り扱いをすべきと考えますがいかがでしょうか。                           

(3)男女の事実婚や独居高齢者などの場合について

 男女の事実婚の場合でも、未届けの夫や妻として同一世帯にしている方もいますが、別々の世帯にしている方もいます。また、中には戸籍上婚姻をしている夫婦でも世帯分離をしている方もいます。そして、認知症ではないために成年後見の制度は使えないものの目や耳や足腰が弱り自ら役所に行くことが難しい方などについて別居の親族が面倒を見ているなどの場合があります。

 なお、日本公証人連合では、

人間は年を取ると、判断能力はしっかりしていても、身体的能力の衰えによってだんだん自分のことができなくなり、寝たきりになってしまえば、いくら預貯金があっても、お金をおろすこともできません。判断能力が衰えた場合にのみ発動される任意後見契約だけでは不十分です。任意後見契約だけでなく、通常の委任契約も組み合わせて締結しておけば、安心です、としています。

こうした場合にも、記載の仕方は若干変わる場合があるとは思いますが、先ほど述べたような公正証書によって必要な事項を定めて記載をしておけば、先ほどと同様なことが可能となり、同一世帯の夫婦や家族に準ずる関係性であると見てもらい、最初に質問をした区の受付窓口での手続きや相談等を受けられると考えてよろしいでしょうか。

(4)その他 (委任契約の周知について)

(こうした委任契約公正証書について、中野公証役場に確認をいたし、法律の専門家である公証人の方の話をうかがいました。その都度委任状を必要に応じて作るやり方もあるが、必要になった都度いちいち委任状を作成する負担を考えれば包括的な委任契約公正証書は有用性が高い。一度公正証書で作成をした後は、銀行等の金融機関でも役所でも問題なく使えるものであり、公正証書の作成時期に関わらず効力を有するとのことでした。

 さらに、専門職後見人や市民後見人などによる後見制度について徐々に幅広く知られるようになってきていますが、まだまだ元気なうちから、事故による障碍や老化による認知症に備えて任意後見人やその内容を公正証書による任意後見契約で決めておくことができることに加えて通常の委任契約を結んでおいたほうが良い例があることについても今後周知をしていくことが望ましいと考えますがいかがでしょうか?


★答弁(回答)★

区民サービス管理部長:わたくしからは、家庭生活を支える委任契約と公正証書についてお答えいたします。委任状ではなく公正証書による手続というご質問でございます。公正証書は公証人法に基づき当事者や関係人の嘱託により、法律行為や司法上の権利に関する事実について作成した文書でありまして、委任状と同等以上の効力があると認識してございます。区の窓口では戸籍謄本等の証明書や転入転出の手続き、国民健康保険証等の発行について公正証書に本人から委任された事項として明確な記載があれば、委任状に変えて手続きをすることは可能であると考えてございます。なお、ご質問で上げられました他の業務につきましては、(生活の実態に基づき業務を行っているため)委任状を求めておりませんので公正証書はもとより必要ございません。

 次に同性カップル等の世帯の取り扱いについてのご質問です。住民票は世帯の居住関係を公証するものであることから、住民登録は原則として親族関係にあるものを同一世帯としているところでございます。親族関係にないものを例外的に同一世帯とする場合は、近々婚姻届けを提出することが確実な場合であるとか、離婚により親族関係がなくなった元夫、元妻のいずれかの表記を同居人とするような場合、事実上の養子について縁故者として世帯の認定をするなど限定的に取り扱っているところでございます。仮に親族関係に無い者について広く同居人・縁故者とした場合、居住実態の把握が難しく、原則として親族関係にあり、同住所に居住し、かつ同一生計である場合に同一世帯として住民登録をしてございます。しかしながら、区民のライフスタイルにつきましては多様化していることから、適切な世帯認定の在り方について検討してまいりたいと考えてございます。

 次に別居親族など様々な関係における委任についてのご質問です委任者と受任者との関係性に関わらず、公正証書の中で委任契約の内容について確認できればその効果につきましては委任状による手続と何ら変わるものではないと認識をしてございます。

 健康福祉部長:家庭生活を支える委任契約と公正証書についてのうち、成年後見制度に併せた委任契約の周知につきましてお答えいたします。認知症や知的障害などによりまして判断能力が十分でない区民の権利と財産を守るため成年後見支援センターでは成年後見制度の周知や相談、市民後見人の育成に取り組んでおります。自分の意志で自分の信頼できる方を後見人として指定をするということは、自分の老後の生活をしっかりと考え計画することにつながるため任意後見契約についての周知も引き続き行ってまいります。財産管理や身上監護などに関する委任契約は判断能力に問題がなくても身体能力の低下により様々な手続きなどが自分でできなくなった際に有効な手段の一つとなりますので、今後はその周知につきましても行っていきたいと考えております。

===(以上)====

(なお、すこやか福祉センターで保育関係の手続きをする際には手続き内容により例外的に公正証書が必要になる場合があり得るそうです。)


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by wishizaka | 2017-10-12 14:34 | 同性パートナーシップ | Trackback

同性パートナーシップについて(4)~公正証書サンプル~

 では、どのような公正証書を作ればいいのか。参考に以下に掲載をしておきます。  

 なお、この文言はあくまで「案」です。作成にあたっては、二人の関係性、相手にどのようなことを委任・代理したいのか、お住まいの自治体の状況(利用が想定されるどういった行政サービスがあり、どういったサービスに委任状*や公正証書が利用できるのかなど)がどうなのかを勘案の上、個々に合わせた形の公正証書を、公証役場の公証人とも相談をしながら作成してください。(また、さらに費用が掛かってしまいますが、行政書士や弁護士と相談をしながら、よりよい公正証書を作る方法もあります。)

 また、作成費用を抑えるために、この文言は甲と乙の二人相互の意思表示を売る形で作ってありますが、

 甲→乙、乙→甲の一方通行の公正証書をそれぞれに作る(計2つ作る)ほうがより確実という場合もありそうです。(ただし費用は2本分かかってしまいます)

[*一般的に委任状で委任可能なものは、公正証書で委任する意思を表示しておけば、委任状ではなく公正証書で委任が可能です。]


====パートナーシップに関する公正証書(案)(参考)=====

平成**年 第***号

 財産管理等委任契約公正証書

 本公証人は、★★★★(以下「甲」という。)及び受任者☆☆☆☆(以下「乙」という。)の嘱託により、以下の法律行為に関する陳述の趣旨を録取し、この証書を作成する。

第1条

1 甲及び乙は,愛情と信頼に基づく真摯な関係にあることを確認する。

甲及び乙は,将来にわたるパートナーとしての意思が揺るぎないものであることを互いに誓約する。

第2条

甲及び乙は,同居し,共同生活において互いに責任を持って協力し,及びその共同生活に必要な費用を分担する義務を負うものとする。

第3条

甲及び乙は、いずれか一方の身体能力又は判断能力が低下したときは、他方は一方の生活、療養看護及び財産の管理に関する事務を可能な限り援助し、一方の意思を尊重しつつその事務処理のための代理権を行使し、かつ、その心身の状態及び生活の状況を配慮すること及び甲乙で必要が生じたときは速やかに、任意後見契約に係る公正証書を作成することに合意した。

第4条

 甲及び乙は、共同生活を営んでいるところ、平成**年**月**日、両名の共同生活の維持、相互の療養看護及び相互の財産の管理等を目的として、甲は、乙に対し、別紙任意代理権目録の事務を委任し、その事務処理のための代理権を付与する意思を表示し、乙は、その趣旨を理解したうえで、これを受諾した。また、乙も、甲に対し、別紙任意代理権目録の事務を委任し、その事務処理のための代理権を付与する意思を表示し、甲は、その趣旨を理解したうえで、これを受諾した。

第5条

甲乙は,そのいずれか一方が罹患し,病院において治療又は手術を受ける場合,他方に対して,治療等の場面に立ち会い,本人と共に,又は本人に代わって,医師らから,症状や治療の方針・見通し等に関する説明を受けることを予め委任する。

前項の場合に加え,罹患した本人は,その通院・入院・手術時及び危篤時において,他方に対し,入院時の付添い,面会謝絶時の面会,手術同意書への署名等を含む通常親族に与えられる権利の行使につき,本人の最近親の親族に優先する権利を付与する。

第6条

 甲及び乙は、一方が現在の医学では不治の状態となり、すでに死期が迫っていると判断された場合、主治医等に対し延命措置の中止を求めるか否かの決定権を付与する意思を表示し、他方はその趣旨を理解したうえでこれを受諾した。

第7条

 甲及び乙は、一方が死亡した場合の祭祀の主催者として他方を指定する意思を表示し、相互にその趣旨を理解したうえで、これを受諾した。

第8条

甲乙の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは,他の一方は,これによって生じた債務について,第三者に対し連帯して責任を負う。

第9条

甲及び乙が,本契約時までにそれぞれが有する財産は,各自の固有財産とする。

甲又は乙が,それぞれの親族から譲り受け,又は相続した財産は,各自の固有財産とする。

前二項に記載した以外の,甲乙の共同生活の期間中に取得した財産は,別異の合意がない限り,両名の共有に属するものとする。

共同生活に要する生活費は,原則として甲乙が平等に負担する。ただし,各人の収入が著しく相違する場合は,その収入に応じて公平に分担するように双方で協議する。

10

本契約に関し,本証書に記載のない事項及び本契約の解釈について疑義のある事項については,甲及び乙は,互いに誠意をもって協議し,解決を図るものとする。

11

甲及び乙は,合意により本契約を終了させることができる。

甲又は乙は,他方が本契約条項に違反した場合その他本契約を継続し難い事由がある場合は,相手方に対する意思表示により,本契約を解除することができる。

以上

別紙

(任意代理権目録)

1 次の各書類、印鑑、証書等の保管および委任事項処理のために必要な範囲内の使用

   登記済権利証、預貯金の通帳及び証書。有価証券、実印・銀行印、郵便局用の印、印鑑登録カード、年金関係書類、保険契約関係書類、共済関係書類、不動産の賃貸借・管理契約関係書類、遺言書、戸籍・住民票に関する書類、国民健康保険・介護保険、に以上に関連する書類等

2 不動産・動産等のすべての財産の管理・保存・処分等に関する一切の事項

3 金融機関、証券会社、保険会社及び郵便局とのすべての取引に関する一切の事項

4 定期的な収入の受領、定期的な支出に要する費用等の支払い及びこれらに関する事項

5 甲の生活費の送金、生活に必要な財産の取得、物品購入その他日常関連取引に関する事項

6 医療に関する契約及び介護契約その他福祉サービス利用契約(施設入所契約を含む)に関する事項

7 転入・転出の手続に関する事項

8 相手方の子の医療・保育・福祉等行政手続きに関する一切の事項

7 事務代行者の指定に関する事項

8 以上の各事項に関連する事項

以上 









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by wishizaka | 2017-10-12 14:33 | 同性パートナーシップ | Trackback